超高級住宅街に暮らす90歳女性がオレオレ詐欺に 被害額は驚愕の34億円超
世界各地で、オレオレ詐欺の事件は起きている。高級住宅街に暮らす高齢者は、特に狙われがちだという。
香港随一の超高級住宅街に暮らす90歳の富豪の女性が、このほどオレオレ詐欺にひっかかった。日本円で34億万円超を奪われたことをイギリスの『The Guardian』『Mirror』などが報じ、被害額のあまりの大きさが話題になっている。
■被害者は富豪の90歳女性
イギリス統治時代から観光やショッピングに良しと言われ、ビクトリア湾を眺める夜景の名所としても有名な、香港のヴィクトリア・ピーク。中国当局は20日、その一角にある超高級住宅街に暮らす90歳の富豪の女性が、巨額のオレオレ詐欺被害にあっていたことを明らかにした。
犯人は携帯電話を利用し、公的な治安機関の職員を装ったという。
■渡された携帯電話とSIMカード
昨年の夏、女性のもとに1本の電話がかかってきた。そこで「中国本土で起きた重大な刑事事件で、あなたの個人情報が不正に使用されていることがわかりました。資産を守るためにも、我々が管理している公的機関の口座に、いったんお金を預けておくと安全です」と告げられたという。
女性が承諾したところ、彼女が暮らす豪邸に1人の男がやって来た。そして「我々と連絡を取り合うときは、これを使用して」と、携帯電話とSIMカードを渡され、送金を指示されたという。
■被害額なんと34億円超
家政婦が女性の様子に不信感を抱き、別居している娘に報告。そこから警察に相談したことで、事件は明るみに出た。だが女性は5ヶ月の間に11回、指示された口座に合わせて2億5,000万香港ドル(日本円で約34億7,000万円)もの額をすでに送金していた。
世界中で起きているオレオレ詐欺のなかでも、被害額が群を抜いて高いこの事件。警察はその後、容疑者として19歳の男を逮捕したが、組織的な犯罪とみてさらなる捜査が続いている。
■詐欺は騙されるほうも悪い?
しらべぇ編集部が全国10〜60代の男女1,732名を対象に調査したところ、全体の40.9%が「詐欺は騙されるほうも悪いと思う」と回答した。
詐欺犯罪が横行する世知辛い世の中。被害者側にも落ち度があるという考え方が、「お人よしでのんき。人の話を信じやすく、世の中の世事に疎い」といった高齢者にありがちな部分を意味するとしたら、それを責めるのはあまりにも酷だ。
警察や保険会社の職員を名乗る者からの電話でも慌てない、優しい孫のような雰囲気を醸しても、知らない者が勧める金銭関係の話は決して信用しない。高齢の家族には、このことを繰り返し話しておく必要がありそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代の男女1732名(有効回答数)