鉄板料理の「ファイアー!」で事故 顔に大やけどを負った女性客が店を提訴へ

治療費はすでに270万円を超えている。無保険の彼女は、その全額を支払わなければならないという。

2021/04/24 10:00

鉄板料理鉄板料理
(Elen Marlen/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

熱々の鉄板料理は、目の前で炎が上がる「ファイアー!」の演出も大人気だ。だが、客にやけどを負わせるようではしゃれにならない。メキシコの有名な観光地で起きた事故の話題を、イギリスのメディア『Mirror』『Mail Online』などが報じている。


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■友人数名で旅行

メキシコの美しいビーチリゾートで、世界遺産のチチェン・イッツァを訪れる人々が宿泊することでも栄えたカンクン。

事故は今月4日、カンクン市内のプラザ・デ・トロス・カンクン(Plaza de Toros Cancún)に入っている、グリル&バー『ラス・デ・グアナトス(Las de Guanatos)』で起きた。

被害にあったのは、アメリカ・メリーランド州出身の女子学生マリッサ・ダニエルさん(26)。友人数名と観光でカンクンを訪れていた。

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■最後のディナーで悲劇

旅の最後のディナーに『ラス・デ・グアナトス』を選び、グリル料理を注文したマリッサさん一行。それはジュージューと音を立てながら、鉄製の大型のステーキ皿で運ばれてきた。

1名の皿に強いアルコール飲料が注がれ、炎が上がる演出が行われたが、あまりの勢いの良さに友人がやけどしそうになり、左手でかばったマリッサさんの服の袖に炎が引火。続いて彼女の鉄板も燃え広がり、炎は彼女の顔を覆った。

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■無保険だった女性

マリッサさんはただちに病院に運ばれ治療を受けたが、顔、左耳、左腕に2度のやけどを負い、髪の一部も失われた。

まだ学生で独身のマリッサさんの保険は、長いこと親が加入している家族プランでカバーされていたものの、昨年12月に26歳になり資格を喪失。誰もがその規定を忘れていたという。

帰国後も通院は続いており、現時点で治療費は270万円を超えている。しかし無保険の彼女は、その全額を支払わなければならないという。


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■提訴の準備へ

治療費が保険でカバーされないことを知り、友人らはクラウドファンディングの『GoFundMe』にページを開設。「マリッサの医療費を支援してあげて」と、善意の人々に寄付を呼びかけた。

だが募金は75万円ほどしか集まらず、マリッサさんは改めて「従業員の対応は誠意に欠けていた」とレストランを批判。損害賠償金を求めるため、提訴の準備に入った。

客を喜ばせようとするあまり、飲食店も過激かつ近すぎる演出が増えているのかもしれない。「ファイアー!」は安全第一でお願いしたいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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