新型コロナ若い世代に重い後遺症 健康だった35歳女性は9ヶ月もの闘病生活に
医師からは「2週間で回復するとは限らない。その後の後遺症には個人差がある」と説明されたという。
新型コロナウイルス感染後、長期間にわたり後遺症に苦しむ若者が世界各地で急増している。9ヶ月間も闘病を続けているというカナダの35歳の女性。それまで健康だった彼女に、次々と現れた重い症状とは…。『カナダ放送協会(CBC)』が伝え、世界に波紋を広げている。
■若い世代に深刻な後遺症
カナダ・アルバータ州のエドモントン在住で、弁護士として活躍していたアシュリー・アントニオさん(35)は、今から9ヶ月前に新型コロナウイルスに感染した。基礎疾患もなく健康で、日々のエクササイズも欠かさなかったため、きっと軽症で済むと信じていたが、予想は覆された。
味覚や嗅覚の減退、ウイルスが肺にたまることで肺の組織が硬くなる肺線維症、男性の精子の数の減少などは、合併症や後遺症として広く認知されている。しかし、それだけではないというのだ。
■多岐にわたる症状
アシュリーさんは感染後、長期にわたり肺のうっ血と呼吸困難、皮膚の発疹、動悸、そして時おり激しい頭痛に苦しめられていた。そんな中、今年3月に1週間ほどの胃腸炎にかかり、それをきっかけにリウマチを発症。関節の痛みと腫れ、あちこちの疼痛が続いているという。
「新型コロナに感染してもう257日になりますが、しんどい日が続き、体がどんどん衰弱していく気がします」と語るアシュリーさん。合併症や後遺症として、ここまでさまざまな症状が現れるとは予想しなかったそうだ。
■脳にも異変
じつは、一過性の脳卒中も経験していたアシュリーさん。ひどい寝汗をかいた次の日、30分ほど体の左半身の感覚がなくなり、顔の感覚にも異変が生じたため、救急外来に連れて行ってもらったという。
2週間ほどで職場に復帰すると期待されていたアシュリーさんだが、彼女は大好きな仕事を5ヶ月間休まざるを得なかった。理由は記憶力と集中力の減退。自身の名前すら思い出せなくなったときは、ひどいショックを受けたという。
■「若い人も真剣に恐れて」
以前は、若い人は新型コロナウイルスに感染しても、2週間以内に回復すると見られていたが、今は違う。アシュリーさんは病院で、「2週間は単なる急性期で、その後のことは個人差があるが、後遺症を訴える人が急増している」と言われたそうだ。
体調の良い日が数日間続いても、悪い日が必ず戻ってきてしまう。アシュリーさんは、「この繰り返しが数ヶ月、数年、もしかしたら一生続くのかと思うと、不安でたまらないです」と話している。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)