中国ケンタッキーで消毒剤入りの水を誤って提供 急性胃炎になった女性客に賠償金
無色無臭の消毒液もある。幼児や認知症の高齢者がいる家では、置き場所にも注意が必要だ。
中国のとあるケンタッキー・フライド・チキンの店舗で、従業員が水と誤って消毒液を客に提供してしまった。それを飲んだ客は、胃が焼けただれるような痛みを覚え病院で受診。
さらに、店側からのある申し出が客を激怒させた。中国の『Global times China』やイギリスの『Mirror』などが報じている。
■水を頼んだのに…
中国・江蘇省蘇州市で3月29日、呉江(ごこう)区のバスターミナルに入っているケンタッキー・フライドチキン(以下KFC)を訪れたドゥさんという女性。彼女は従業員にコップ一杯の水を頼んだ。
それを一口飲んだ途端、ドゥさんは奇妙な味だと感じ、二口めを飲んだところで、喉から胃にかけジリジリと焼け付くような痛みに襲われた。その液体は無臭で、口にするまで「水ではない」と気付かなかったという。
■消毒液が混入
ドゥさんの異変に気付いた友人のチェンさんが、「水がおかしくないですか」と従業員に問い詰めた。すると、誤って消毒液入りの水を提供していたことが判明した。
ドゥさんはその日の午後に病院へ。医師の診察を受け、酸の強い刺激で胃の内壁に出血や胃潰瘍をもたらす「急性びらん性胃炎」と診断された。ドゥさんは病気療養のため、少しの間、仕事を休職せざるを得なかったという。
■口止め料を「受け取って」
KFCは、治療費1,500元(日本円で約25,000円)を支払った。しかしドゥさんは、休職により得られなかった給与分とその間の食費なども支払ってほしいと、不満を募らせた。
そんな中、KFCはドゥさんに1,000元(日本円で約16,700円)の口止め料を受け取るようにと迫り、そのうえで「機密保持契約に署名を」と要求してきたという。これにドゥさんは激怒。大手メディアの『中央広播電視総台』にネタを持ち込み、今回の事件を公にした。
■消毒液混入事件
その後、店舗に対しては地元の市場監視委員会による聞き取り調査や交渉が行われ、悪い印象を払拭するためか、KFCは慌てて治療費に休職中の給与分を合わせた15,000元(約25万円)の賠償金支払いを提案。そこでやっとドゥさんの合意を得た。
この件に関して中国のSNSであるWeibo(ウェイボー)では、ユーザーから「KFCもケチらず、最初からその額を払え」といった批判が続出。
さらに消毒液に関しても、瞬時にそれとわかる色や匂いを着けるなど、メーカー側にも何らかの工夫や対策が必要だといった激論が飛び交ったという。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)