緊急着陸前に飛行中の旅客機で女性が出産 介助した医学生に称賛の声
女性の客室乗務員、そして医学部に通う女子学生が、しっかりと出産の介助にあたったという。
飛行機を利用すると、時おり「お客様の中に、お医者様や看護師さんはいらっしゃいませんか?」というアナウンスが機内に響き渡ることがある。
血圧や心臓の不調に関する訴えが多いようだが、この度の事例は予期せぬ出産だった。中東の『GULF NEWS』やイギリスの『Metro』が伝えている。
■予期せず産気づく
6日、チャドの首都ンジャメナからエジプトのカイロに向け、スーダン上空を飛行中だったエジプト航空の旅客機において、女性が赤ちゃんを出産するハプニングがあった。
予期せず産気づいたとの知らせに、コックピットは緊急着陸を要請。カイロの800kmほど南にあるアスワン国際空港を目指すこととなった。
■ほぼ満席の機内で出産
女性は、イエメン国籍で27歳のクルツマー・モハンメドさん。自然出産で陣痛のコントロールは非常に難しく、アスワン空港への緊急着陸を待たず、ほぼ満席という機内で赤ちゃんを出産した。
このとき、「お客様の中に、お医者様や看護師さんはいらっしゃいませんか?」という機長のアナウンスに、1人の医学生が名乗りをあげた。客室乗務員とともに医療用防護服に着替え、出産の介助に当たったという。
■医学生が大活躍
分娩が無事終わり、元気な男の赤ちゃんが誕生して、アブデル・ラーマンくんと名付けられた。アスワン国際空港への着陸後、クルツマーさんとアブデルくんはただちに病院へ。飛行機は再び離陸し、目的地のカイロへと急いだ。
出産の介助に加わった医学生は、カイロ大学のカスルエルアイニー医学部に通うライラ・モハメド・アブ・バクルさん。万が一の出産にも対応できるよう客室乗務員らは訓練を受けているが、そんな彼らも「とにかく助けられました」とライラさんの活躍を大きく称えている。
■妊婦も安全な空の旅を
世界的に見ても、航空機内での予期せぬ出産は、1年あたり最低2回は報じられている。昨年9月には、カイロから英国のロンドンに飛ぶ同じエジプト航空の旅客機で、赤ちゃんが誕生。航空券が生涯無料という驚きの権利が贈られた。
なお空の旅の安定期は、妊娠16~27週あたりといわれている。日本のANAとJALでは、出産予定日を含め28日以内に飛行機を利用する場合、搭乗の7日以内に医師が発行した診断書を提出する必要があるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)