子宮頸がん、知らなかったという理由で死なないで 広告制作した女性コピーライターに聞いた

4月9日は「子宮頸がんを予防する日」。朝日新聞などに全面広告が掲載されたが、そのクリエイターに直撃した。

みんパピ

4月9日は、その語呂合わせから「子宮頸がんを予防する日(子宮の日)」とされている。がんは日本人の死因第1位となっているが、その中で数少ない「ワクチンで予防できるがん」が子宮頸がんだ。


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■WHOも認める安全なワクチン

芸能人や著名人でも多くの患者がいるこの病気、啓発CMを見たことがある人もいるだろう。年間1万人の女性が子宮頸がんと診断され、じつに約2,800人が命を落としている。

子宮頸がんは17歳未満でHPVワクチンを接種すると88%防ぐことができ、日本でも小6〜高1の女子は無料で接種が可能。

世界ですでに8億回も接種され、WHO(世界保健機関)もその安全性を認めているが、日本はワクチン接種が進んでおらず、先進国の中で数少ない「子宮頸がん患者が増加している国」となっている。

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■産婦人科医らが主催

『みんパピ!(みんなで知ろうHPVプロジェクト)』を主催する産婦人科医の稲葉可奈子さんは、「子宮頸がんとその原因ウイルスであるHPVについて正しく知る」ことをテーマにイベントやセミナーなどさまざまな活動を展開してきた。

稲葉可奈子

昨年、クラウドファンディングで集まった資金を活用して、今年の「子宮の日」に合わせて新聞広告やドキュメンタリー動画を公開した。


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■女性コピーライターが広告制作

新聞広告のクリエイティブディレクターを務めたのは、国際NGO『プラン・インターナショナル・ジャパン』の「Because I am a Girl」キャンペーン「13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない」などの代表作があるコピーライターのこやま淳子さん。

「不勉強ながらこの話をよく知らなかったのですが、HPVワクチンは世界では普通に受けられているのに、マスコミの報道によって日本では接種率が著しく低くなってしまったこと、子宮頸がんでたくさんの人が亡くなっていることを知り、胸が痛みました」と最初の印象を語る。

「稲葉先生をはじめとするドクターたちが、強い使命感からこの活動に力を注いでいることを感じ、私も全力でお手伝いしたいと思いました」とこやまさん。


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■「正しい情報を知る」ことを伝える

みんパピ

ワクチンには根強い反対派が存在し、国内で接種が進まない背景ともなっている。今回の広告制作も難しいテーマだったはずだ。

こやまさんは、「ちょっとでも間違っていたり煽動的な表現をしてしまえば炎上するかもしれない、という恐怖のなか、それでも当たり障りのない表現で全く届かなければ意味がないので、すごく難しいテーマでした」と話す。

「重要なのは、正しい情報を知ってもらうこと。あとは各自で考えてもらえばいい。そうしたスタンスでコピーは書いています。子宮に見えるような、人が抱き合っているような、いろんな見え方のするビジュアルも、このテーマを表現するのにぴったりだったと思います」。


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■ドキュメンタリー動画も公開

みんパピでは「子宮頸がんで妻をなくした男性がみなさんに知って欲しいこと」と題したドキュメンタリー映像も公開。ツイッターでは2分ほどのダイジェスト版を、またYouTubeではフルバージョンを見ることができる。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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