自閉症の男性が世界最大規模のトライアスロンに挑戦 『ライオンキング』が努力の鍵
自閉症を持つ男性がハードなトライアスロンに挑戦する。そこには社会を動かす理由があった。
2021/04/06 10:00
4月2~8日は発達障害啓発週間であり、2日は世界自閉症啓発デーだった。自閉症という障害を持ちながらも、世界一過酷と言われる「アイアンマン世界選手権大会」に挑戦しようとしている黒人の青年について、アメリカの『CNN』が報じた。
■鉄人が集うアイアンマン世界選手権大会
アイアンマン世界選手権大会(Ironman World Championship)とは、世界最大規模のトライアスロン大会。日本や韓国、オーストラリアなど各地で行われる予選を通過した者のみが挑戦権を与えられ、参加することができる。
世界大会はハワイで行われ、水泳3.86km、自転車180.25km、マラソン42.195kmの合計226.2kmを、制限時間17時間の中で速さを競う。プロ・アマや老若男女を問わず多数の参加が集い、歴代の最高齢は85歳で日本人の稲田弘さんという男性。世界中で愛されるトライアスロン大会である。
■自閉症への考え方を変える
そんな世界最大級の大会に挑戦しようと日々トレーニングに励むのは、自閉症を持つロンドン在住のサム・ホーネスさん(27歳)。
運動能力は同年代の平均値に満たないが、反復練習を何度も繰り返す「練習の鬼」だ。彼をそこまで突き動かすのは、世の中の自閉症への考え方を変えたいという思いからだという。
自閉症を持つ人は、能力を過小評価されがちである。サムさんも、学生時代は授業についていくことすらできないだろうと言われていたが、努力し優秀な成績で大学を卒業した。そのため「人々は自閉症の人が持つ素晴らしい能力に気づく必要がある」と強く述べている。