愛娘を脳腫瘍で亡くした57歳女性が体外受精で出産 「生まれ変わり」と喜ぶが…
両親は十数年ぶりに赤ちゃんをその腕に抱き、かわいらしさに大感激。「大切に育てます」と決意を新たにしている。
米国・ニューハンプシャー州で体外受精に成功していた57歳の女性が、このほど無事赤ちゃんを出産した。赤ちゃんは男の子で健康状態は良好だという。だが両親はそれぞれに重い疾患のため、通院生活がしばらく続く模様だ。北米のメディア『WGNO/abc』『CTV News』などが伝えている。
■最愛の娘を亡くし…
ニューハンプシャー州コンコードに暮らすバーバラ・ヒギンズさん(57)が、十数年ぶりに妊娠と出産を経験。かわいい我が子を再び腕に抱く夢を叶えた。
じつはバーバラさんは、2016年に最愛の娘モリーさんを脳腫瘍のため13歳の若さで亡くしていた。どんなに月日が流れても、その深い悲しみを乗り越えられずにいたという。
■夫婦で体外受精クリニックへ
どうしてももう一人子供がほしい、我が子を抱きしめたいと強く望むようになったバーバラさんは、夫のケニー・バンゾフさんを説得。夫妻は、マサチューセッツ州ボストンにある有名な体外受精クリニックの門をくぐった。
バーバラさんは、閉経してから随分経っていたという。しかし医師の指導のもと、女性ホルモンの力を借りながら母体を整える準備が始まった。
■「モリーの生まれ変わりです」
やがて体外受精が成功し、続いてバーバラさんの子宮に受精卵(胚)の移植が行われ、着床が確認された。出産も無事に済み、夫妻は誕生したばかりの男の赤ちゃんを抱き、3月24日にはコンコードの自宅に戻ることができた。
生まれたときの体重は2,636グラム。バーバラさんは、ジャックくんと名付けられた赤ちゃんを地元メディア『The Concord Monitor』に紹介し、「この子はモリーの生まれ変わり。大切に育てていきます」と誓った。
■両親とも無理のきかない体
だが、ファミリーの今後には不安な材料もある。バーバラさんは妊娠を目指していた頃にモリーさんと同じ脳腫瘍が発覚し、切除手術を迫られた。さらに65歳の夫ケニーさんは持病の腎臓病が悪化し、腎臓移植手術を受けたばかり。夫婦そろって慎重な健康観察や管理が必要な状態なのだ。
それでもバーバラさんは「大丈夫。私は熱心なランナーとして長年にわたり高校の陸上部のコーチを務めてきた身で、出産する日までウェイトトレーニングも欠かしませんでした」と力強く語っている。ジャックくんを立派に育て上げられることを願うばかりだ。
・合わせて読みたい→10代で母になり14人の息子を産んだ女性 45歳にして念願の娘を授かる
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)