東京五輪出場が期待された22歳女性サーファー 悲運の落雷事故死
痛ましい事故のニュースが、報じられることのあるサーファーたち。水難、サメ、そして落雷による事故が時おり発生している。
中央アメリカの小さな国、エルサルバドル共和国。サーファーのメッカだというビーチで、東京五輪出場に向けたトレーニングを行っていた若手の女性プロサーファーが、命を落としてしまった。『Mirror』や『DiarioLaGaceta』が報じている。
■予期せぬ落雷事故
エルサルバドルで19日の午後5時ごろ、22歳のプロサーファーであるキャサリン・ディアス(Katherine Diaz)さんが、エルタンコ・ビーチ(El Tunco Beach)の荒れる海でサーフィンをしていた。そんななか、突然の落雷に見舞われたしまった。
キャサリンさんはISA世界ジュニアサーフィン選手権時代から名が知られた実力派で、来る東京オリンピックにも出場が期待されていた。それを決定する予選大会に向けたトレーニングだったという。
■「神が決めた運命」と兄
ビーチにいた誰もが強烈な稲妻に打たれたキャサリンさんに気づき、ただちに海から引き揚げ病院に搬送した。しかし、心肺蘇生法に反応することなく死亡が確認された。
兄のバンバ・ディアスさんは、「神が決めた運命だったのでしょう。寂しくて仕方がありませんが、キャサリンは永遠に私たちの心の中に生き続けます」と述べた。サーファー仲間もSNSを通じ、心からの哀悼の意を示している。
■夜間はシェフとして働く
エルサルバドルで毎年開催されるサーフィンの国際大会に、必ず出場していたキャサリンさん。生計を立てるため、夕方からはレストランのシェフとして働いていた。
エルサルバドル・スポーツ界の権威であるヤミル・ブケレ氏、および国際サーフィン連盟もキャサリンさんの突然の死に強いショックを受けている。21日に行われた葬儀には、たくさんの花が届いたという。
■「波の花」による事故も
サーフィンは、不測の事故に見舞われる確率が高いほうだとされるスポーツ。水難事故のほかにはサメや落雷によるものが度々伝えられているが、意外なものに「泡」がある。
昨年5月、オランダのスヘベニンゲン沖で、救難活動のトレーニング中だったサーファー5人が死亡する事故が起きた。暴風雨のなかで「波の花」と呼ばれる大量の泡が生じ、まるで雪崩のようにサーファーたちを飲み込んでいったという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)