子作り中の20代既婚女性に驚きの診断 精密検査で男性と判明
親は我が子の性器に疑問を感じたら、早めに小児科を通じて、大きな病院の内分泌代謝科を受診することが必要だ。
中国・浙江省杭州市で、足の怪我により大きな病院を受診した女性。その際、別の科で赤ちゃんがなかなか授からないことも相談した。
詳しい検査が行われた結果、彼女の性に関する驚きの事実が告げられたことを、香港の『南華早報(South China Morning Post)』やオーストラリアの『7News』が伝えている。
■足首の負傷で病院へ
中国・浙江省杭州市の浙江大学医学院附属第一医院の医師が、このほど極めて珍しい症例に出会ったことを、WeChatを通じて人々に紹介した。
杭州市に暮らす25歳の女性が、足首を負傷したため同病院の整形外科を訪れた。まずはX線検査が必要となったが、妊娠の有無について尋ねると「子作りに励んでいます」との返事だったという。
■外見や心は女性なのに…
ここ1年間にわたり子作りに励んできたが、なかなか妊娠できないことを悩んでいたというその女性。整形外科に続き、内分泌代謝科でも詳しい検査を受けることになった。
そこで確認されたのは、先天性副腎過形成に由来する過剰な男性ホルモン分泌、高血圧と低カリウム血症。彼女には子宮や卵巣がなかったばかりか、男性器らしき突起も喉仏もなかった。
遺伝子を詳しく調べた結果、染色体の核型が「46,XY」のインターセックス(性分化疾患)と診断されたという。
■「奥手 」と診断した医師も
彼女は、思春期に骨の成長が止まったため身長が低く、心も外見も少女から女性として生きてきた。心配した母親が病院に連れて行ってくれたことがあるが、医師からは「いわゆる奥手のタイプなのでしょう。数年もすれば月経はきますから大丈夫」と言われた。
そして彼女は初潮を見ないまま男性と結婚。性器に不自然さがありながら「奥手」で済まされ、本人ばかりか夫や実家の両親もインターセックスに関する知識を欠いていた。このたび診察した医師は、事実を理解しないままの結婚や子作りが、ただ気の毒でならないとしている。
■疑問抱いたら早めの検査を
インターセックスと診断された人の多くは、体が大きくなったとき自分がどちらの性別として生きていきたいか、時間をかけて決定。希望の性に応じ、切除や形成の手術などを受けることが可能だ。
また、健康上の問題をもたらすホルモン分泌異常を治療するためにも早めの受診が必要であり、親には我が子が自信や自尊心を失うことがないよう、温かい理解やサポートが強く求められるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)