新型コロナ検査すり抜けのブルターニュ型変異株 PCR検査で4回も「陰性」に

頼みの綱だったワクチンが一旦停止の状態にあるフランス。マスク着用、テレワーク、ソーシャルディスタンスの徹底が改めて呼びかけられている。

2021/03/18 12:50

PCR検査
(show999/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

新型コロナウイルスの感染拡大に関し、新たに大きな話題となっているフランスのブルターニュ型変異株。英国型、南アフリカ型、ブラジル型などと同じく、ウイルスが生き残りをかけ、ヒトの体に侵入しやすくなるよう進化したものとみられている。

『FRANCE24』『Medical Xpress』ほかが続々と伝えている。


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■PCR検査をすり抜ける

フランス保健省は現地の15日、ブルターニュ地方ランニオンの病院で発生した新型コロナウイルスのクラスター8例において、新たな変異株を確認。世界保健機関(WHO)への報告を経て、今では「ブルターニュ型変異株」と呼ばれるようになっている。

病院の患者8例のうち7例がPCR検査をすり抜けていたとされるが、『rfi』が伝えたところによれば、公衆衛生当局には「4回の検査でいずれも陰性だった患者が数名いる」と報告されたという。

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■検体採取方法の見直し論も…

新型コロナウイルス新規感染者の世界ワースト3は、1位は1日あたり9万人強のブラジル、2位は1日あたり6万人強の米国、そして3位が1日あたり約38,000人のフランス。ポーランドを超え、欧州ではフランスが圧倒的ワースト1だ。

ブルターニュ型変異株が、感染力の強さや死亡率の上昇をもたらすといった情報はまだないが、従来の鼻から検体を採取するPCR検査で対応しきれないのであれば、異なる採取位置や方法についても議論していく必要があるという。

中国で実施されている肛門からの検体採取も一案になるのだろうか。

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■急ピッチで調査中

ドイツの『DW』は、エマニュエル・マクロン仏大統領と諮問委員会の専門家が、この件に関し新たな対策と措置を検討していることを報じている。

他の地域にもすでに広がっているのか、各社のワクチンでブルターニュ型変異株に対応できるのか、以前に感染して抗体を持つ人々がこの変異株に新たに感染するかなど、調査と研究が急ピッチで進められている。数日後には、マクロン大統領から何らかの発表があるだろうとしている。


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■ワクチン接種も一旦停止

そんな中、欧州ではいくつもの国が血栓の懸念を理由に、アストラゼネカ社のワクチン使用を一旦停止している。フランスもそのひとつだ。

フランスでは3回目のロックダウン突入は避けたいとして、代わりに夜間外出禁止令と週末の外出制限を発表。頼みの綱だったワクチンに依存するのが難しい状況では、基本に立ち返ってマスク着用、テレワーク、ソーシャルディスタンスといった基本的な対策を守るよう強く求められている。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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