女性客に渡された「夫のDVから救って」のメモ 銀行員の巧みな対応に称賛
問題のあるメモを受け取った窓口の銀行員は、何としても警察に動いてもらうため、コネを持つ親しい友人に相談した。
ブラジルで先週、ある銀行の支店を訪れた女性が、窓口の女性に無言でそっとメモを渡した。その小さな紙からは、彼女が家庭内暴力の被害者であることが、すぐに分かったという。英国のメディア『The Sun』『EMINETRA』などが報じている。
■小さな声で「ここに住所を」
その話題は、ブラジル・バイーア州のソブラジーニョ市から伝えられた。ある銀行を訪れた女性客が、ATMの利用明細書にボールペンで「夫の家庭内暴力に苦しんでいます。通報し、助けてください」と走り書きをして、窓口に差し出した。
受け取った行員は白い紙を差し出し、小さな声で「住所のご記入を」と求めたという。
■限界まで耐える被害者たち
女性は27歳。支店の外では彼女が戻ってくるのを夫が待っていた。助けを求めた小さなメモは、躊躇して一度は破棄しようと思ったのか、それとも不安で強く握りしめていたのか、くしゃくしゃだった。
DVの加害者は感情の爆発を家庭内にとどめていることが多く、外面が良くて取り繕いが上手だったりする。そのため、DVと孤独に闘っている被害者も少なくない。
■行員はコネを使って警察に…
銀行はそのとき、新型コロナウイルス感染拡大につき「入店者は一度に1名」と限定。妻のみが入店を許され、彼女はそこでやっとDV被害を誰かに打ち明け、助けを求めるチャンスを得た。
さらに行員側の対応も巧みだった。受け取ったメモを直接警察に預けることなく、警察にコネを持つ親しい人物に相談。DV事件で警察を動かすには、コネや特別な心遣いが必要というのが、この国の常識だからだ。
警察官はメモから夫婦の自宅を把握。翌日、夫のいないタイミングで女性を保護し、シェルターへと送り届けたという。
■言葉の暴力を受けた経験は?
しらべぇ編集部が全国20〜60代の交際経験がある男女1,313名を対象に調査を実施したところ、「自分を罵倒したり、言葉の暴力を振るう異性と交際したことがある」と答えたのは全体の13.4%。男性12.7%、女性14.0%とやや女性が多いようだ。
さらに年代別のグラフでは、このたび被害を訴えた女性と同じく、20代や30代で突出していることがわかった。
言葉の暴力もDVのひとつであり、それが身体的な暴力に発展することは少なくない。交際相手や伴侶の気性の荒さを感じたら、我慢せず誰かに相談することが大切だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国の20〜60代の交際経験のある男女計1,313名(有効回答数)