妻をひき逃げされた夫が「許さない」 逃走トラックにしがみつき高速道路を30km
自身も怪我をしているにもかかわらず、夫はトラックのボディにしがみついた。「妻をひいた男を絶対に許さない」と、必死だったという。
ブラジルでこのほど、バイクでツーリングを楽しんでいた40代の夫婦が、とんだ悲劇に見舞われた。妻が危険運転のトラックにひかれ、恐れをなして逃げ出した運転手。夫はそれを許さなかった。
ブラジルの『JDV』やイギリスの『The Sun』が夫の勇ましい姿を紹介し、話題は世界に拡散中だ。
■夫婦でツーリング中に…
サンタカタリーナ州バウネアーリオ・コンボリウーで今月7日、トラックがツーリング中のバイクをはねるという事故が起きた。
現場は東海岸の高速道路となる国道101号線で、はねられたのはサンドラ・ペレイラさん(47)。夫のアンダーソン・アントニオ・ペレイラさん(49)とともに2か月前に購入したバイクで、仲良くツーリングを楽しんでいたなかでの悲劇だった。
■「許さない。逃がすものか」
サンドラさんが運転していたバイクは、トラックのバンパーの下に食い込み、意識もなく倒れている彼女が危機的状況なのは明白だった。
トラックの運転手は無責任にも現場から逃げ出そうとし、アンダーソンさんは激怒。自身も怪我しているにもかかわらず、トラックのボディ左側にしがみついた。
■猛スピードの車に30kmも…
トラックはサンドラさんのバイクを引きずったまま、高速道路を猛スピードで走行。アンダーソンさんは約30キロもの距離を、トラックにしがみついた状態で耐え抜いた。
多くの車が、その異様な光景を録画するとともに警察に通報。ある場所でトラックは停止を求められ、引きずり降ろされた運転手(36)は、人々の罵声を浴びながら警察に連行された。運転手はその後、殺人罪で逮捕・起訴されたが、麻薬の影響下にあった可能性も指摘されている。
■妻の臨終には立ち会えず
市内の大手スーパーマーケットの財務管理者として、責任感の強さが高く評価されていたアンダーソンさん。自身も負傷しているため、妻サンドラさんが搬送された「Hospital Municipal e Maternidade Ruth Cardoso」に運ばれた。
そこで治療を受けたアンダーソンさんだが、脳挫傷がひどかった妻はすでに死亡。最期を看取ったのは26歳の息子ひとりだった。一家を憐れむ声が相次いでいる。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)