「夜の営み丸聞こえ」と忠告の手紙まで 壁の薄さで隣人双方がトラウマに
ごく薄い壁に感じ取れるのは、施主や建設業者のモラルの低さ。集合住宅は、暮らす人の気持ちも考えて建ててほしい。
アパート、マンションなど集合住宅に暮らすうえで気になるのは、部屋の上下階や左右に暮らす「ご近所さん」。自分の迷惑行為を注意されて立場が悪くなることもあれば、隣人の迷惑行為に耐えられず、不本意ながら引っ越す人もいる。
そして無視できないのが、建物の粗悪で薄い壁が原因でトラブルになるケースだ。
■両者ともにストレス
このたびオーストラリアのニューサウスウェールズ州で、あるアパートに暮らす一家に、隣家から「小さな子供の声、夜の営みから生活音まで、お宅の音がすべて丸聞こえ。シャワー姿まで見えてますよ」と忠告する手紙が届いた。
手紙をSNSに公開し、苦痛を訴えた部屋の借主。さっそくイギリスの『Mirror』がその話題を紹介し、同じ状況に悩む人々の間で波紋を広げている。
■壁の薄さこそが問題
このケースの問題は、双方が加害者であり被害者であることだ。隣人が逆恨みされることを覚悟の上で長文の手紙を書いたのは、我慢の限界を超えたから。それまで彼らは、長いこと苦痛と不眠ストレスに悩まされていたのだった。
また手紙を受け取った側は、その日を境に隣人の「耳」「目」にビクビクする暮らしが始まった。両者の間にとてつもない緊張が生まれ、当然ながら関係は悪化しただろう。
■騒音ゆえに引っ越した経験は?
しらべぇ編集部が日本全国の20~60代の1,357名に調査を実施したところ、「騒音を理由に引っ越したことがある」と回答したのは全体の10.3%だった。
酒乱、DV、深夜までの宴会やBBQ、大音量での音楽や楽器演奏など、モラルやマナーに欠けた迷惑な隣人は論外だが、壁の薄さは施主や建設業者の「良心の欠如」でもある。暮らす人の身になって建てられた物件であってほしいものだ。
■英国では酒乱や庭荒らしも
世界的に見てもご近所トラブルは年々増加傾向にあり、それに端を発した口論が転居のきっかけになることも増えている。
イギリスの『Problem Neighbours』が実施したアンケートでは、10人に1人が「苦痛や迷惑行為に耐え切れず転居した」と回答。問題の隣人に関しては、酒を飲んで暴れるなどの粗野な言動を挙げた人が6割、大音量の音楽など騒音被害が5割、そして庭を荒らされた、などが続く。
お節介焼きの面倒な隣人に嫌気がさして、という人も1割ほどいるようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20~60代の男女1,357名 (有効回答数)