15歳で顔に酸を浴びせられた女性 10年の治療中に優しい男性と出会い結婚へ
伴侶の真の価値は若さや美貌ではない。人生のいつかどこかで、人としての優しさや思いやりの重要さに気づくものだ。
復讐の手段として、相手に硫酸、塩酸、硝酸など劇物の酸を浴びせかけるという、極めて危険な「アシッドアタック」が時おり起きる南アジア。インドの若い女性を襲った悲劇的な事件とその後について、『The Logical Indian』『Hindustan Times』などが報じている。
■15歳で縁談を断り恨みを買う
インド・オリッサ州ジャガティンガプル県在住のプラモディーニ・ロウルさん(28)。心優しい男性と結婚し、幸せをかみしめているところだが、彼女は美しい少女だった頃の面影はなく、顔面の皮膚は大きくただれ、目鼻の位置は崩れてしまっていた。
15歳のとき、ある縁談を断ったところ逆恨みされ、アシッドアタックを受けてしまったプラモディーニさん。顔面全体に攻撃を受け、額からつむじにかけて頭髪を失い、両目の視力を失ってしまった。
入院生活5年のうち9ヶ月間をICU(集中治療室)で過ごし、手術が何度も繰り返されるなど、彼女の青春時代はつらいものだった。
■人柄の素晴らしさに惹かれる
だが10年にわたる治療のなかで出会ったのが、このたび結婚したサロイ・サフーさん(29)だった。
彼はMR(医薬情報担当者)としてたびたび病院を訪れるなか、不屈の精神で大変な治療やリハビリを頑張るプラモディーニさんに優しい声をかけていた。親切で明るい彼女に、サロイさんは徐々に惹かれていたそうだ。
家族にも紹介したところ、誰もが彼女の人柄を気に入り応援してくれることに。サロイさんは仕事を辞め、彼女のサポートに専念した。
■「初めて見た夫の顔は…」
交際をスタートさせたふたりは、しばらくニューデリーで一緒に暮らし、2018年2月に婚約。今月1日には故郷のジャガティンガプル県で、大勢のゲストを招いて結婚式を挙げ、ニュースにもとりあげられた。
オリッサ州のアシッドアタック被害者の会『チャーンヴ財団(Chaanv Foundation)』の人々からも、盛大な祝福を受けたという。治療は今なお続いているが、プラモディーニさんはある手術で、左目の視力をほんの少し取り戻すことに成功した。
メディアの取材に、「初めて見た夫の顔は想像以上にハンサムでした。幸せがいつまでも続くよう努力していきます」と語ったプラモディーニさん。夫の深い愛情を感じるたびに、さらに自身の愛情が増すのを実感しているという。
■約8割は結婚相手を性格で選ぶ
しらべぇ編集部が全国10~60代の恋愛経験者1,735名に調査を実施したところ、「結婚相手を選ぶなら優しさを重視」と答えたのは全体の77.2%。最も少ない20代男性でも67.0%と、顔より性格で選ぶ人が圧倒的に多いようだ。
また、その割合がさらに増えるのが50~60代。病気の診断が下ることが、一気に増えるといわれる年代だ。
人生は60代以降も長い。晩年が幸せであるためにも、思いやりや愛情が感じられる相手と結婚して、相手のことも十分に思いやる。これが何より大切なのだろう。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代の恋愛経験者1,735名 (有効回答数)