チコちゃんが「鬼」の深い歴史に迫る ある言葉がなまったモノだった?
『チコちゃんに叱られる』で鬼の誕生について解説。長い時を経て鬼という概念は変化していった。
13日に放送された『チコちゃんに叱られる!!』(NHK)で扱われたテーマのひとつ、「鬼って何」が注目を集めている。アニメ『鬼滅の刃』が世間的大流行した影響で鬼という言葉を見る機会も増えた。しかし、鬼が一体何者で、どう生まれたものか知る人は少ないのではない。
■「目に見えない何か」
チコちゃんの回答は「目に見えない何か」という。鬼というのはもともと架空の生物で、実際には存在しないが、どういう意味なのだろうか。日本では古くから「目に見えないモノ」を「隠(おん)」と表現する文化があった。これは畏怖の対象だったという歴史もある。
今から1000年以上前、科学的な知識がない人々にとって、雷や洪水といった天災や疫病はすべて隠の仕業であると考えられていた。
■鬼は死者の魂や霊魂を意味する
一方で「鬼(き)」という漢字はもともと、死者の魂や霊魂という意味を持っていた。こちらも目には見えないものである。
時代が経つにつれて、隠(おん)は発音が崩れていき、いつしか「おに」に変化していった。そうした結果、隠も鬼も同じ「目が見えないモノ」となり鬼に「おに」という読み方が誕生したのだという。
平安時代中期に作られた和名類聚抄(わみょうるいじょしょう)にも「鬼はおんがなまった言葉である」といった記載もあるため、この成り立ちは間違いなさそうだ。