小泉純一郎・菅直人・鳩山由起夫の首相経験者が固い握手 「反原発新党」結成?
11日、憲政記念館で開かれた講演にかつては火花を散らした3人の首相経験者が集結。「反原発」をテーマに意気投合した。
■サプライズで鳩山氏、菅氏が登壇
講演後、菅直人氏と鳩山氏がサプライズで登壇し、短く挨拶した。菅氏はその日、12時からは映画館「ユーロスペース」でトークショーに参加し、14時からは政府主催の追悼式典に参加するという激務の中、ギリギリ到着した。
追悼式典に参加したため黒いジャケットに黒いスーツで「この10年間で原発が発生した電力は、全体の電力のたった3%。原発は建設コストが3倍になった。使用済み燃料の処理はできない」「将棋でいえば完全に投了の場面なのに、投了しないと言って原子力ムラが頑張っているだけだ」と気勢を上げた。
■3人が固い握手
鳩山氏は最近、「脱原発で2050年カーボンニュートラルの日本を」という論文を書いたことを紹介し、自然エネルギーの促進で原発ゼロへのエネルギーシフトは可能だと強調。
そして、小泉氏を見て「久しぶりに小泉節を聞いた。小泉総理も、もう一肌脱いでいただいて、政治の世界に戻っていただいて、脱原発で政党をつくって党首になっていただければ、参上したい」と小泉「反原発新党」が結成された場合は参加することを言及した。
菅・鳩山氏の挨拶後、筆者が司会者に「ここはぜひ3人で握手をお願いします」と促すと、司会者は「せっかくだから、3人で握手してもらいましょう」と述べて、冒頭のスリーショット写真が叶った。
■今後の動向に注目
取材したフリーのベテラン記者は「小泉内閣が発足したとき民主党は代表が鳩山氏で幹事長が菅氏。まるで自民・民主大連立のような顔ぶれだ。しかし、みんな年とったなあ」と感想を述べた。
このイベントでは最後に、プレスに登壇した3人の元首相に加え、村山富市元首相、細川護熙元首相のサイン入り談話も配られた。
今、党派を超えて首相経験者5人が原発ゼロを求めている。近い将来、現政権が原発依存の政策を続けるならば、新党結成にまでは至らないにしても、5人がそろい踏みして倒閣運動を起こすこともなきにしもあらず、だ。今後の動向を注視したい。
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(取材・文/France10・及川健二)