お見合い結婚を嫌って恋人と駆け落ちした娘 激怒した父親が殺害

まだ18歳の娘は、自分で見つけた恋人と幸せな人生を歩むことを望んでいた。家族にはそれを応援してほしかっただろう。だが、その家庭の父親は違った。

2021/03/07 15:30

花嫁・逃亡・結婚式
(imtmphoto/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

娘の縁談、結婚は親と親族で決めるものだと信じてやまない父親は、自分で選んだ愛する男性との結婚に突っ走った娘を許さなかった。自らの手で娘の命を奪ったことをインドの『Indian Express』やイギリスの『The Sun』などが伝えている。


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■交際中の彼氏と駆け落ち

殺人事件はインド・ウッタルプラデーシュ州で3月1日に起きた。被害にあったのは同州ダウサに暮らしていたピンキーさん(18)。実の父親であるシャンカー・ラル・サイニ(50)に首を絞められ、殺害された。

親族が持ち込んだ縁談で、シャンカーも気に入っていた男性と強制的にお見合いをさせられたピンキーさんは、2月16日、不本意ながらその男性と結婚した。

だが彼女は3日後に家を飛び出し、交際中だった恋人ロシャン・マハワーさん(24)と駆け落ち。ふたりでラジャスタン州のジャイプールに逃げてしまった。

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■親族と共に娘を急襲

ジャイプールで改めて夫婦として婚姻届けを出したカップルは、再びウッタル・プラデーシュ州のダウサに戻ると、親族に襲われる危険性について裁判所に相談した。

ロシャンさんの実家に身を寄せることが決まり、警備や保護への申請も受理されたが、担当したダウサ署の警察官はあまりにも怠惰だった。

シャンカー、叔父と15名を超える親族はあっという間にカップルの居場所を突き止め、ピンキーさんを急襲して誘拐。息の根を止めたのは、父親のシャンカーだった。

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■「娘は一族に恥をかかせた」

警察の取り調べに対し、父親と親族は「これは名誉殺人。一族に恥をかかせた者に罰が下ったまでだ」などと主張。しかし、ロシャンさんの家族は「許されぬ殺人だ。ロシャンの命も狙われかねない」と訴えている。

現在、人権擁護団体『PUCL(People’s Union for Civil Liberties)』のラジャスタン支部が、名誉殺人を謳う殺人事件について刑罰を重くするよう訴えており、活動家や市民グループも、認識が甘すぎる警察の責任を問う抗議活動を行っている。

こうしたことを受け、警察も容疑者11名について刑事告訴の手続きに入った模様だ。


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■高等教育の重要性

婚前交渉や不倫、駆け落ち婚を嫌う、南アジアや中東の厳格なイスラム教徒が集まる地域において、時おり発生している名誉殺人。

インドでは、数百人もの特に若い女性が野蛮な方法で親族により命を奪われてきたが、それはあくまでも2014年以降に警察が把握した件数だ。実際はもっと多くの犠牲者がいるものの、自殺として封印されているのではないかと考えられている。

その流れを止めるためには、高いレベルの教育により女性の地位を向上させるに尽きる。だが、娘の高校進学に理解を示さない親が殆どという地域もいまだに多いという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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