最古の映画誌『キネマ旬報』を特集 編集長・三浦氏らが大いに語り合う
老舗映画誌の過去・現在・未来について語り合うほか、コロナ禍における雑誌のあり方についても考える。
■総合的な事業も展開
現存する世界最古の映画専門誌で、映画賞を開催する“権威”でありながら、その一方で産業でもある同誌。
「映画検定」や「映画感想文コンクール」など総合的な事業も展開していることについて、三浦氏は「ビジネスとしては成立していないものの、ああいったことは非常に大切だと思っています」と話し、「それに(千葉県の)柏では、『キネマ旬報シアター』という映画館も運営しています。これら映画にまつわるものは、横軸でつなげていく必要性を感じています」と語った。
■恒例の映画賞の現状
さらに、多くの映画ファンにとって毎年の楽しみである恒例の映画賞「キネマ旬報ベスト・テン」の歴史や、現状についてもトークを展開。
「娯楽映画とアート映画のすみ分け」や「俳優で映画を観ること」、「海外映画と日本映画に対する反応の差」といったトピックのほか、「コロナ禍で映画雑誌を出版すること」についても話題が及ぶ。
■今後の動向も
映画の記事を執筆しても作品が公開延期になるなど、たった1、2週間で世界の状況が一変してしまうような昨今の事態に、森氏が「雑誌というものの持つ“速度”がものすごく問われたのではないかと思います」と質問。
三浦氏は、「紙の雑誌として残していくということは大切な軸としつつ、デジタルで何をしていくのか。それに加え、感想文や映画館などがすべて結びつくようなサイクルを考えていかないといけないと思っています」と答えている。気になる今後の同誌の動向など、映画ファンの注目が集まる回となりそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・けろこ)