卵巣ガン偽装し寄付金で豪遊 クラウドファンディング悪用の女に実刑判決
生活苦で病気の治療を受けられない人に、お金を寄付して助けたいという親切な人たちが、世の中には大勢いる。
お金がなく困っている人と資金援助をしたい人の橋渡しとして、急成長を遂げているクラウドファンディング。だが、どうしてもなくならないのが詐欺行為だ。重病を装い大金をだまし取っていた女の話題を、英国のメディア『Mirror』『BBC』などが報じている。
■本人がページを立ち上げる
2018年、クラウドファンディングの『GoFundMe』に、英国・ケント州カンタベリー在住のニコール・エルカバス(42)という女が登場し、善意の人々に寄付をお願いした。
お金に困っている姿を見るに見かね、家族、知人、友人がページを開設することも多いクラウドファンディングだが、彼女の場合は、本人が自ら闘病中であることを切々と訴えていた。
■担当医が彼女の名前を発見
「卵巣がんと診断され、つらい闘病生活を送っている」「スペインの病院で手術を受けたいが、渡航も医療費も高額で、とても支払えない」と、人々に資金援助をお願いしたエルカバス。
数週間で数百人から日本円にして650万円ほどの寄付金が集まったが、卵巣がんは嘘だと発覚し、詐欺罪で逮捕・起訴されていた。
その詐欺行為を通報したのは、『GoFundMe』で偶然彼女の名前を発見した担当医だった。サイトに掲載された闘病中の写真は、彼女が胆嚢炎で入院した際のものだといい、警察はさっそく捜査を開始したという。
■豪勢な旅行とギャンブルで…
裁判は、昨年11月にカンタベリー刑事法院でスタート。皮肉なことに、12月にはエルカバス被告の母親ががんで死亡した。
寄付されたお金でローマやバルセロナを豪勢に旅行し、大好きなギャンブルで使い果たしていたことも明らかに。陪審員は被告に有罪の評決を下し、続いて懲役33ヶ月の実刑判決が言い渡された。
判事は主文で「あなたの行為は、がんと真剣に闘っている患者さんに対する大変な侮辱。息子さんがいなければ、もっと長い刑期を言い渡すところでした」と述べている。
■4割が「詐欺は騙されるほうも悪い」
しらべぇ編集部が全国10〜60代の男女1,732名を対象に調査したところ、「詐欺は騙されるほうも悪いと思う」と回答した人は全体の40.9%。男性が39.8%、女性が42.0%と女性のほうが高い結果となった。
また40代以上でポイントが一気に高くなるのは、人生経験が増えるにつれ詐欺を見抜く力も身に付く、といった自意識の変化があるのかもしれない。
いずれにせよ、募金活動に一定数の詐欺が含まれていることは否定できない。その抑制のため、加害者に厳しい判決が下る例がますます増えている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代の男女1732名(有効回答数)