小学3年生グループが園児にトイレで猥褻行為を強要 一貫校での大事件の顛末とは
強い性衝動で事件を起こす者は、世界的に見てますます低年齢化し、近年では中学生や小学生による性犯罪も珍しくないといわれている。
学校の中でいじめや性犯罪が起きたとき、学校や教育委員会はどう対処するべきなのか。責任感や誠実さが問われる事例が多々伝えられているが、当事者ではない保護者の動きについてはどうだろうか。
2019年にオーストラリアで起きたある事件のその後について、興味深い話題を『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙ほかが報じている。
■幼稚園児に性的行為を強要
事件は2019年6月、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州にある一貫校のスクールで起きた。小学3年生のいじめっ子グループが付属幼稚園の子供たちを連れ出し、トイレに閉じ込めて性的な行為をするよう強要していたことが、今頃になって明らかにされたのだ。
裕福な家庭を対象とした名門校ではないとの情報があるものの、学校名は明らかにされていない。
■加害者は転校し校長は辞任
事件の直後、小学校ではいじめ対策に関するパンフレットを子供たちに向けて配布。一方、被害に遭った園児たちが負った心身のダメージは大きく、屈辱感、恐怖や長期的な不安が残っているため、カウンセリングが始まった。
それは幼児に対する明らかな性的虐待行為だったが、加害者の年齢から法で裁くことは困難だ。当該生徒たちは責任を取るかたちでこっそりと転校し、当時の校長は2ヶ月にわたり休職した後、町からも転出していた。
■箝口令に対する不満
被害者のプライバシーを重んじるという理由から、事件は速やかに封印されていたが、このほどPTAでいじめの問題が話し合われていたなか、当時のことを知る保護者がその事件について触れ、波紋を広げてしまった。
事件から数日後、保護者全員に送信されたニュースレターで簡単に知ったというもので、知らなかった保護者からは、箝口(かんこう)令を敷いた学校および教育委員会のやり方は無策で無責任だとして、批判する声が噴出したという。
■ゴシップもいじめに等しい
だがこの事件について、州教育委員会や州司法当局とともに水面下で調査にあたった教育省は、被害者をそっとしておく、という配慮の重要さについても触れている。
「子供たちのいじめの方法が陰湿で悪質になっていることが、非常に悩ましいです」と嘆いたうえで、幼い子の性犯罪は、被害者が立ち直れなくなるほどショッキングで辛いものであり、不要に話題にすることは控えるべきだと述べている。
被害者の心の尊厳を守り、事件を1日も早く忘れてもらうためにも、周囲にもその話題を口にしない、町のゴシップにしないといった努力が必要になる。これは「知る権利がある」という主張以上に大切なことではないだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)