歯列矯正中の美容整形手術で敗血症に? 20代女性の死で歯周病に注目集まる

美しい歯並びを手に入れ、コンプレックスを感じていたパーツを美容整形で直してもらえば、その後には輝かしい未来が…。お年頃の彼女は、そんな風に思っていたはずだ。

2021/02/14 05:30

歯列矯正
(RyanKing999/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

歯並びを矯正しているなかで行われた鼻の美容整形手術。その2つの組み合わせには、思わぬ危険が潜んでいるのだろうか。ある女性の悲劇的な死について、英国のメディア『Mirror』『The Sun』などが報じている。


関連記事:豊胸手術を受けた女性が帰国後に救急搬送 手術中の心停止をクリニックが隠蔽か

■鼻の美容整形手術

トルコのアダナ県で、鼻筋を細くさせる美容整形手術を受けたレイラ・ソンメスさんという24歳の女子学生。彼女は手術後に感染性心内膜炎および敗血症を発症し、多臓器不全に陥ったことから2019年2月3日、24歳の若さで帰らぬ人となった。

2年前の出来事ではあるが、その死因として思わぬ側面が見えてきたことが伝えられ、改めて人々の関心を集めている。

関連記事:豊胸手術を受けた女性が帰国後に救急搬送 手術中の心停止をクリニックが隠蔽か

■医療過誤だと訴えた父親

手術後のレイラさんの様子について、友人はボイスメールを受け取っていた。「鼻と口から血が噴き出てきた」「腹痛がひどく、時々失神する」「心臓に問題があるらしく、手足にアザが出て、血行も悪くなっている」などと訴えるレイラさん。

次々と異常が現れていたことを知った父親のアリ・ハイダー・ソンメスさんは、医療過誤だとしてクリニックを提訴した。

関連記事:鼻の美容整形手術で衝撃トラブル 耳の一部切除に納得できない女性が返金要求

■見えてきた別の側面

だが、剖検で美容整形手術自体には問題がないことがわかった。さらに捜査でも、レイラさんの命を救うためにクリニック側が万全を尽くし、シュクロバ大学医学部付属病院に適切に転院させていたこともわかり、医療過誤の申し立ては却下された。

その後、レイラさんの死の原因として考えられるようになったのは、彼女が歯の矯正中であったこと。全体に金属のブレースを装着しているなら、口腔環境を清潔に保つよう一層の努力が必要だったことだ。


関連記事:鼻の美容整形手術で衝撃トラブル 耳の一部切除に納得できない女性が返金要求

■恐ろしい歯周病

口腔内が不潔になると、歯の周囲にプラークと呼ばれる歯垢がたまり、歯肉炎が引き起こされる。だがそれで収まらないこともある。レイラさんの場合、血管内に入りこんだ歯周病菌が、敗血症や感染性心内膜炎を引き起こした可能性が指摘されているのだ。

それでも遺族の悲しみ、怒り、苦悩はまったく癒えていない。父親は「必ず良くなり退院できるという、スタッフのあの言葉は嘘だった。納得できない」とし、新たに刑事告訴の道を探しているという。

・合わせて読みたい→豊胸手術を受けた女性が帰国後に救急搬送 手術中の心停止をクリニックが隠蔽か

(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

【Amazonセール情報】ココからチェック!