動物園周辺の駐禁スポットに出没するニセ係員 20年間誰も詐欺と気づかず
有名な行楽地の人気スポットの多くが、駐車場の問題を抱えている。満車なら人々はどうしても周辺をウロウロすることになり、男はそれに目をつけたのだろう。
敷地内の駐車場が満車なら、周辺にある民間の駐車場を利用する。料金と引き換えに小さな白い領収書が渡されれば、ひと安心。だが、その集金自体が腹黒い人物による詐欺行為だとしたら、話は別だ。
■動物園周辺に違法駐車
イギリス西部の港湾都市ブリストルにある、公営の「ブリストル動物園(ブリストル・ズー・ガーデンズ)」。ここは慢性的な駐車場不足の問題を抱え、周辺の空き地や道路に違法駐車する来訪者が少なくなかった。
その現象を悪用したS.W.バレットという男が、長年にわたり車の運転手から駐車料金を騙し取っていた疑いについて、地元メディアの『Bristol Post』や『Mirror』などが報じている。
■被害届を出す者はおらず
1978年頃から、同動物園の周辺にある空き地に停めようとする車を見つけては、さっと近づいていた駐車場係員風の男。運転手に駐車料金を支払うよう求め、領収書風のチケットも準備されていた。
それは完全なる詐欺・搾取だったにもかかわらず、金額が小さいうえ、違法駐車を指摘されることを恐れ、警察に被害届を出す者は20年間誰一人いなかった。
■「都市伝説みたいなもの」
2年ほど前に事実が発覚した際、市や動物園は「ただの噂話、都市伝説でしょう。実際の被害も確認できていない」と主張した。市は「動物園が雇っているスタッフ。徴収されたお金は園の収益に」と解釈し、一方の動物園は「市の所有地だから市がやっている」と解釈していたというのだ。
だが、長年にわたり園のエリア拡大に抗議してきた市民グループは、そのような説明に納得していない。
『動物園への寄付』を掲げ、それでお金を稼ぐ人が古くは1958年から存在したと聞いているとし、「知らなかったとは思えない」と主張。そもそも動物園の事業計画自体がずさんで、駐車場不足を放置してきたことに根本的な問題があると指摘している。
■女性の過半数が詐欺に批判的
堂々と人を騙し、いつの間にか姿を消してしまう詐欺師が大勢いるこの世の中。しらべぇ編集部が全国10〜60代の男女1,732名に調査を実施したところ、「詐欺師の知識は他に生かせばいいと思う」と回答したのは全体の56.9%だった。
また男性が53.9%、女性が60.2%と、女性のほうが詐欺行為に批判的であることがわかるが、突出しているのは50代女性の66.9%、それに60代女性の64.9%が続く。
もしも我が子が詐欺行為に手を染めるようになってしまったら、ガツンと叱り、正しい道に戻るよう説得できるのは 「母親」ということかもしれない。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代の男女1732名 (有効回答数)