強気な森会長に呆れる海外 3ヶ月前にはFIFA副会長が差別発言で辞任したばかり
日本では、謝罪があれば女性蔑視の性差別発言は許されてしまうのか。海外では呆れる気持ちや批判が確実に広がっている。
「東京五輪のボスは会議に女性を呼びたくない性差別主義者」と海外メディアもさんざん叩いている、東京五輪・パラリンピック組織委員会・森喜朗会長による失言の問題。
目立ってきたのが「謝罪のみで解決なのか」「それでも辞める気はない」といったタイトルだ。スポーツ界においては、わずか3ヶ月前にビッグな辞任劇があったばかり。海外の人々は森会長が感じている以上に、差別というものに敏感なのだ。
■FIFA元副会長も失言が多く…
昨年11月、イングランドサッカー協会(FA)の会長および国際サッカー連盟(FIFA)の副会長であったグレッグ・クラーク氏(63)が、大変な批判の中で辞任した。
高い地位についていながら、肌の色、民族やジェンダーに関し、数々の失言を放っていたクラーク氏。今回ばかりか、政治家としてもあれこれ問題発言を放っていた森会長と大きく重なるものがある、という人は多い。
■容認しない海外の女性
女子サッカー人口が増え、これだけ人気が高まっているのに、それを否定するような発言があったクラーク氏。 女子代表チームの元主将ケイシー・ストーニーさんは「全く容認されない」と断固抗議していた。
女性にサッカーをする権利が認められているのと同様、女性には五輪に関して会議で意見を述べる権利がある。ストーニーさんのように、日本の女性たちもここでしっかりとタッグを組み、抗議しなければなるまい。
■筋金入りの女性嫌い
日本オリンピック委員会の女性の割合を「40%以上に」という目標について、女性を増やせば、発言時間にある程度の制限を設けないと会議が長引いて大変だ、などと持論を展開した森会長。
彼の女性への嫌悪や蔑視の感覚は、過去に「女性は視野が狭い」「子供を産まずに自由を謳歌し、高齢になったから税金で面倒見てという考えはおかしい」といった発言で物議を醸すも、謝罪や撤回だけで反省していなかったことがうかがえる。
■差別発言により敏感な海外
このままでは、「男尊女卑の精神、性差別発言が許される国」という印象を世界中に与えたまま夏になり、大勢の女性アスリートや大会関係者を日本に迎えることになる。敬意の伴わない「お、も、て、な、し」など喜んでもらえるわけがない。
森会長によるこのたびの問題発言は、謝罪で済むレベルなのか、それとも辞任が必要なレベルなのか。
差別意識やそれに基づく失言は、海外では日本よりも大きな問題として捉えられていることを、森氏は知っているだろうか。知らないようなら、誰かが諭すべきであろう。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)