脳死した1歳息子の臓器を提供 父は「君は英雄だ、誇りに思います」と敬礼で見送り
幼くして脳死を宣告され、臓器提供者になった我が子。つらい決断を下した父親は、「息子の一部は今も生きているんです」と語った。
生きていてほしい。必死に祈ったものの脳死状態に陥った息子を、家族は英雄として見送った。幼い子の臓器提供が行われるまでの経緯を、『The Sun』などが伝えている。
■交通事故で搬送
米国・カリフォルニア州で暮らす一家が、昨年11月に外出先から自宅に向け車を走らせていた。だがこの日、付近を走行していた車がいきなり別の車線から逸れ、家族の車に正面衝突。その衝撃で車を運転していた男性と妻子が怪我を負い、特に1歳の息子がひどい状態に陥った。
ほどなくして病院に搬送されたが息子は脳の損傷が深刻で、診察した医師も「助かりそうにありません」と宣告。それでも男性は諦めきれず、大手術を受けさせることを決意した。
■祈りは通じず脳死に
術後、息子の状態はわずかだが良くなり、目を開けるまでに回復。だがその直後に再び状態が悪化し、ついには脳死と宣告された。
できる手をすべて打った家族は、その時点で生命維持を断念。息子の死を無駄にしないためにも、しっかり機能している健康な臓器を、重病の患者さんたちに提供することを決意した。