新型コロナ患者、退院後の3割が140日以内に再入院し1割強が死亡 英国家統計局など発表
「新型コロナウイルスは、かかって治ればもう問題はない」などと言う人がいるが、その考えは甘すぎるようだ。
新型コロナウイルスで入院に至った患者は、退院後にも定期的な検査を受けることになるが、そこで新たな問題が発覚する人も少なくないという。恐ろしい数値がイギリスの国家統計局から示されたことを、『Telegraph』『NEW YORK POST』ほか英米の多くのメディアが報じている。
■3割が再入院、1割強が死亡
イギリスでこのほど、新型コロナウイルスに感染して入院加療が必要になった人々に関する、かなり心配な報告があった。
ウイルスの陰性が確認され、退院した新型コロナ患者47,780人(平均年齢65歳)の140日後を調査した、イギリス国家統計局とレスター大学の研究チーム。すると29.4%が再入院し、続いて12.3%が死亡していることを突き止めた。
深刻な後遺症として圧倒的に多いのは呼吸器疾患の14,140例で、うち6,085例は、新型コロナウイルス感染時に基礎疾患がなかった患者だったという。
■糖尿病や心臓や肝臓にも問題
他には新たに糖尿病を発症したり、心臓、腎臓、肝臓に問題が発覚する患者が多く、70歳未満の人々に目立つという。
その論文は査読前にネットで公開されたものだが、イギリス国家統計局が調査に関わっていることから、信頼性はかなり高いと言えるだろう。
■糖尿病の専門家は…
調査にあたった1名で、レスター大学で糖尿病と血管医学を教えるカムレシュ・クンティ教授は、『ガーディアン』紙とのインタビューにこう答えている。
「新型コロナウイルスがインスリンを分泌する膵臓のβ細胞を破壊し、1型糖尿病を発症するのか、それともインスリンの分泌低下や抵抗性が起きて2型糖尿病を発症するのか、まだ解明には至っていませんが驚くべき事実です」
「140日以内に再入院や死亡に至る患者の数は、新型コロナに関係しない内臓疾患で入院・退院した患者の 3.5倍。退院後も長期にわたる健康観察が欠かせないということになります」
■マスク2枚重ねの人も
新型コロナウイルスの変異種においては、小児から若年層の健康な体にも、じわじわとダメージを与えていくことがわかってきている。
繁華街に繰り出す若者たちに、「あなた方の人生はこの先まだまだ長い。絶対にかかりたくないという意識をもっと強く持ってほしい」と訴える専門家は多い。ロックダウン下のイギリスでは、外出時にマスクの2枚重ねをする人の姿も、見られるようになっているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)