滝を見下ろす絶景ポイントから少女が転落死 濡れた岩場で転んだ男性にぶつかられ…
海外の絶景ポイントでは、危険な所でも安全のためのロープや柵がないことも…。
いわゆる絶景ポイントとは、美しい、あるいは雄大な景色が広がる高い場所が多く、大きく身を乗り出せば危険なこともある。インド東部のオリッサ州で起きた恐ろしい事故の話題を、地元メディアの『Odisha TV』をはじめ米国の『NEW YORK POST』などが報じている。
■岩場の先端で撮影
事故は1月3日、インドオリッサ州スンダルガル地区を流れる川の、豪快な滝を見下ろせる絶景ポイントで起きた。
死亡したのは、家族と共にそこを訪れていた少女ニルパマ・プラジャパティ(Nirupama Prajapati)さん。スマートフォンを手に危険な岩場の先端まで進むと、撮影に夢中になっていた。
■周囲からは大きな悲鳴
ところがニルパマさんは、背後から1人の男性にぶつかられ、そのはずみで滝に転落した。周囲の誰もが大きな悲鳴を上げたが、まさに一瞬の出来事で、近くにいた親も手を差し伸べようがなかったという。
激しい潮流に飲み込まれたニルパマさんは、22時間におよぶ捜索活動の末、400メートルほど離れた地点の川底で遺体となって発見された。
■危険すぎた足元
現場となった岩場は湿って足元がぬるぬるしており、滝つぼを覗こうとして際まで近づこうとする者には、常に注意が呼びかけられていた。
1人が転べば、ドミノ倒し状態でもう1人も転ぶ。さらに今回のケースでは、ぶつかられた1人が命を落としてしまった。こうした場所では、家族や友人であっても互いに距離を保つことが大切だ。
■「この先は危険。自己責任で」
海外では、危険な絶景ポイントで転落や滑落により命を落とすケースがますます増えており、観光客からはその都度「安全対策を万全に」という声が上がる。
だが、ロープや柵があるのに事故が起きた場合、低すぎた、壊れていた、隙間があって子供がそこから飛び出したなどと、遺族の多くが管理者側の瑕疵を問おうとする。そのうえ、頑丈な高い柵を設ければ「美景とスリルが半減」との苦情も飛び込む。
そこで、多くの管理者側は危険を知らせる警告板のみを設置し、「その後の行動は本人の判断と責任において」とお願いしているのだという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)