顔全体が産毛だらけになった女性に肺ガンが発覚 医学誌の論文に注目集まる

女性は少し前から、やわらかい産毛が顔や首などを覆うようになったことに気付いていた。

2021/01/15 08:00

肺がん・レントゲン写真
(utah778/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

突然の多毛を自覚するようになった女性について、その後の詳しい検査で肺癌が見つかった。両者の因果関係に注目が集まっていることを、オーストラリアのメディア『7News』ほか、英国のメディア『Mail Online』などが報じている。


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■有名医学誌に論文を発表

肺癌に関して大変珍しい「兆候」の例を報告したのは、オーストラリア・メルボルンにあるピーター・マッカラム・がん治療センター。

権威ある医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)』にも査読済み論文として発表され、医学界の大きな関心を集めている。

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■2ヶ月前から体に変化

メルボルン在住の現在51歳のその女性は、最初に皮膚科を受診していた。「2ヶ月ほど前から顔全体、首、そして胴の上のほうに柔らかい産毛(うぶげ)が生え始め、かなりフサフサになってしまった。何が起きているのか不安だ」と訴えたという。

ところが理由もなく痩せ、倦怠感があり咳が出ることを告げると、内科での受診を強く勧められた。

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■精密検査により肺腺癌と診断

内科でのCT検査で、右肺の下葉に12ミリの陰があることがわかり、精密検査を経て女性には腺癌の診断が下った。タバコを37年間吸い続けてきたが、ずっと健康で、病歴も薬の服用歴もなかったという。

化学療法と放射線治療を受け、がん細胞を攻撃するリンパ球T細胞の免疫応答を増強する「デュルバルマブ」の投薬が効き目を発揮し、すでに咳は収まっているという。


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■突然の多毛症とは

顔の産毛、硬いヒゲ、体毛のいずれも、妊娠、出産、更年期障害、栄養の偏り、急激なダイエット、喫煙、過労、ストレス、夜型の生活など、何らかの原因で男性・女性ホルモンのバランスが乱れることにより、脱毛あるいは多毛が生じることがある。

また、副腎か卵巣のどちらかに男性ホルモン産生腫瘍ができると、体毛が濃くなることもわかっている。しかし肺癌とふさふさの産毛の因果関係については知られていないとのこと。今後の症例にも大きな注目が集まりそうだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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