有名ジムの日焼けブースに不自然なカメラ 女性利用者が経営者の男を提訴
フィットネスジムの更衣室やトイレに、隠しカメラが設置されているのでは…と疑ったことはあるだろうか。
大勢の女性たちが利用しているフィットネスジム。「防犯のため」として設置された各種カメラのなかに、違法性の高いものが紛れ込んでいるかもしれないことを、米国のメディア『Star Tribune』『NEW YORK POST』などが報じている。
■45歳の経営者を告発
米国・ミネソタ州に本部があり、世界展開のフランチャイズとして知られる『スナップフィットネス(Snap Fitness)』のジム。
先週、まさにミネソタ州のライト郡アナンデールにある同ジムで、経営者のランドール・D・ロイガー(45)が、女性の利用者たちを盗撮していた疑いにより、刑事・民事の両面で訴えられた。
■「防犯が目的」と主張
2019年1月中旬、このジムの女性用・日焼けコーナーの脱衣場で、42歳の利用者が不審なカメラの存在に気づいた。
女性はすぐに警察に訴えたが、経営者および『スナップフィットネス』の本部は「顧客の安全を守り、盗難、不正行為を防ぐ目的で、カメラはジム内のあちこちに設置されている。顧客もそれを承知しているはずだ」と主張した。
「イラク派遣を3回経験した元・海軍の兵士」というロイガーのプロフィールにも圧倒され、女性は引っ込まざるを得なかったという。
■1年後に提訴を決断
だが、女性は不安や不信感から外出先のトイレなどを使用できなくなり、先週ライト郡地方裁判所にてロイガーを提訴。重大なプライバシー侵害で心身に強いダメージを被ったとして、日本円で500万円強の損害賠償金を求めたいとしている。
またカメラはいきなり、かつ目立たないように設置されており、その不自然さから警察もロイガーの個人的趣味による設置を疑い、刑事告訴に踏み切った。被告はプライバシーの侵害は認めるものの、防犯が目的で悪意はないと主張しているという。
■盗撮被害に遭ったことは?
しらべぇ編集部は、全国20〜60代の男女1,664名を対象に調査を実施。「盗撮被害に遭ったことがある」と回答したのは全体の11.7%だった。
性年代別にみると、高い順に30代女性15.9%、同男性15.5%、20代女性13.5%、同男性12.8%と続き、若い世代かつ男性の被害者も多いことがわかる。
安全対策や防犯が目的のカメラ設置と、犯罪の色が濃い個人的趣味のカメラ設置。こういう施設では両者間の線引きも難しいのだろう。『スナップフィットネス』チェーンに加盟する多くのジムが、裁判の行方に注目しているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,664名 (有効回答数)