セレブ御用達の美容整形外科チェーンにサイバー攻撃 全写真を盗み取られ身代金要求か
近年ますます高度化するサイバー攻撃。セキュリティ開発者とハッカー集団の戦いは終わらない。
セレブリティ御用達として有名なイギリスの美容整形外科チェーンが、ハッカー集団によるサイバー攻撃の餌食になってしまった。イギリスのメディア『BBC』やオーストラリアの『7NEWS.com.au』が報じている。
■イギリスの超有名クリニック
サイバー被害にあったとされるのは、イギリスでは大変有名な美容整形外科チェーン『ザ・ホスピタル・グループ』。仕掛けたとされるのは『REvil』というハッカー集団で、計900ギガバイトを超える美容整形手術のビフォーアフター写真を盗み取ったとみられている。
『ザ・ホスピタル・グループ』はイギリス国内に11店舗のクリニックをかまえ、豊胸手術、肥満の減量手術、乳首の形の矯正、鼻の整形などを得意としてきた。
■顧客リストには大勢のセレブ
同グループは、顧客の全員にサイバー攻撃の標的とされてしまったことを、謝罪の言葉とともに報告。ただし現時点では、個人情報の一部にアクセスされた可能性があるものの、支払いに使用されたカード情報などは漏れていないという。
ハッキングされた画像の多くはビフォーアフター、あるいは施術中の局部のみで、顔は写っていないとしているが、BBCは顧客には人気ドラマやリアリティ番組の出演者、女性ポップスグループのメンバーなど大勢のセレブが含まれていると伝えている。
■不安を募らせる患者
同グループのあるクリニックで、以前バストの縮小手術を受けた女性は、BBCの取材に「かなり心配です。クリニックからハッキング被害に関するメールが届いたが、内容の詳細は書かれていなかった。世界中に自分の「ビフォー」写真が拡散されることを想像すると、ゾッとします」と語った。
手術を受けたこと自体、友人や同僚の誰にも知らせていないからだという。
■身代金要求に怯える
悪質なランサムウェアのREVil(別名Sodinokibi)。感染するとパソコンがロックしたり、ファイルが暗号化されたりして使用不能になり、元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求されるため、ランサムウェアは身代金要求型不正プログラムとも呼ばれている。
ハッカー集団は、ますます悪知恵を働かせながらサイバー攻撃のチャンスを狙っているが、近年は莫大な数の顧客を持ち、セキュリティは完璧と思われるような大企業が被害にあうことが増えているという。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)