養育費を払っていた父親がコロナ禍で失業 我が子2人を殺害して自殺
お金の問題は、生きている限りつきまとう。だが、大切な人の命より大事なものはない。
両親が離婚し、今年のクリスマスは父親の自宅で過ごすことになった10代の子供たち。だが父親は元妻との口論の後、我が子を殺害したうえで自殺した。ある家族に起きた悲劇を、オーストラリアの『7NEWS.com.au』やアメリカの『New York Post』が報じている。
■離婚とコロナ禍の失業
イタリア・ヴェネト州パドヴァ県のトレバゼーレゲで暮らすアレッサンドロ・ポンティン容疑者(49)は、職を転々とするなか、看護師として働く妻のロベルタ・カルザロットさん(47)と離婚。前職は大工、その後はマッサージ師として働いていたが、このコロナ禍で失業してしまった。
離婚後、ふたりの子供であるフランチェスカくん(15)とピエトロくん(13)は、両親の間を行ったりきたりしていたという。
■クリスマスに親子3人が死亡
そして今年のクリスマス休暇に、父アレッサンドロ容疑者の自宅で事件が起きた。子供たち2人が睡眠中にアレッサンドロ容疑者に襲われ、室内を逃げ回ったものの、ついに刃物で喉を切り裂かれたと報じられている。
現場は血の海と化し、さらにア容疑者もそこで自ら命を絶っていた。
■養育費で揉めていた元夫婦
元妻ロベルタさんの兄であるクラウディオ・カルザロットさんは、メディアの取材に「ふたりは養育費の件でずっと揉めていた」と語った。
子供たち2人分の養育費については、「妹はアレッサンドロから月に100ユーロ(日本円で約13,000円)しかもらっていなかった。それではとても足りないので、増額を要求していたが、収入がないため話にならなかったようだ」などと語っている。
事件後、ロベルタさんはショックで倒れて入院してしまったという。
■コロナ禍と仕事への影響
しらべぇ編集部が全国10〜60代の有職者の男女827名を対象に調査したところ、全体の19.2%が「新型コロナウイルスの影響で失業の可能性がある」と回答した。
性年代別では、10代から30代の男性が高い割合になっている。
実際に減収となった人、自宅待機になった人、契約の更新を打ち切られた人、そして突然の解雇を言い渡された人もいるのだろう。
「このコロナ禍で大変な思いをしているのは、観光産業や飲食業だけではない」という声も多く、このたびの事件の加害者であり、自ら命を絶ったアレッサンドロ容疑者も、そのひとりになってしまった。
多くの家族の生活や家庭環境が維持されるためにも、一日も早いウイルスの終息を願うばかりだ。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)
対象:全国10代~60代有職者の男女827名(有効回答数)