有名レビュアーの「残飯再利用」発言でレストランが閉店に 経営者が怒りの訴え
批判めいた食リポを見た人が、その店への興味を失ってしまうことがある。大きな影響力を持っているだけに、レビュアーの責任は重い。
何に関しても、まずインターネットで情報を確認しようとする人が多い今の時代、レストランにとって有名レビュアーたちはとても気になる存在だ。食レポで彼らが「美味しい」と褒めれば、いきなり客が増える。だが批判されてしまった場合は…?
■反感を買いチャンネル登録者が1割減少
韓国各地の有名なレストランを訪れては、様々な料理を注文し、味、料金、サービスや店の雰囲気などを動画で紹介してきた、人気フードレビュアーのハヤン・ツリー(HayanTree)さん。
現在、YouTubeの彼のチャンネルには登録者が64.4万人もいるが、少し前までは70万人を超えていた。あることが理由で反感を買い、1割ほど減少してしまったという。
■マリネにわずかなご飯粒
ソウル・釜山に続く韓国第三の都市と呼ばれ、新しいレストランが軒を連ねる大邱(テグ)。ツリーさんは最近、そこのカニ料理が自慢の海鮮レストランを訪れ、12月7日、YouTubeに1本の食レポ動画を投稿していた。
彼は店の料理の味を褒めるのではなく、「おかわり自由のマリネが運ばれてきた際、不快な事実に気付いた」などとして、店を厳しく批判したのだった。
■「残り物の再利用かも」
「ひょっとして、他の客が食べ残した皿の中身が自分の皿に盛りつけられた、つまり残り物を再利用しているのかな」などと話すツリーさん。動画の再生回数は約229万回を記録した。
これには多くの視聴者が悪い印象を抱き、客足が途絶えたことでレストランは閉店。事実を知った経営者は、店内の防犯カメラの映像をじっくりと確認した後、その動画に反論のコメントを投じた。
■経営者の悲痛な訴え
「ご飯粒は、ツリーさんに提供されていた別のお料理のもの。それがスプーンやお箸を通じて移ったと思われます。調理場では、残り物を再利用するなどということは一切行われていません」というものだったが、あっという間にツリーさんにブロックされてしまった。
新型コロナウイルスの影響で収益が落ち込み、さらに突然の閉店で、経営者や従業員らが受けた痛手は計り知れない。
激怒する経営者は、この件について、韓国大統領府の公式ホームページに意見を投稿。飲食店をYouTuberの無責任なレビューから保護するためにも、当局の介入と規制を検討してほしいと直訴している。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)