マヂカルラブリー優勝の『M−1』が賛否両論である理由 正統派の敗北

2020年度の『M-1グランプリ』はどのような大会であったのだろうか。その賛否両論を背景に本大会を考察。

■正統派と異色派

おいでやすこが

今回「しゃべくり漫才」の型を非常に重視した審査員が、1人印象的であった。オール巨人である。2位通過のマジカルラブリーに88点という、巨人の中でも低めの点をつけているのは特徴的だ。

しかし、巨人においても最高得点はおいでやすこがであったことに、おいでやすこがの漫才の秀逸さが示されている。そして今回特徴的であったのが最終決戦であった。

見取り図が正統派に近いしゃべくり漫才であり、マヂカルラブリーはしばらくボケで寝っ転がる時間があるようなネタであり、おいでやすこがは引き続き歌にツッコむ形であった。


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■最終決戦の審査

3組中2組が正統派「しゃべくり漫才」から遠くかけ離れている事態に、審査員たちはこれまた面白い審査結果を下す。

巨人が見取り図に票を入れたのは、いかにも「しゃべくり漫才」を推すものであった。同様の結果を下したのは、塙である。松本人志と上沼恵美子はおいでやすこがに票を入れた。

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■ギリギリの判断か