ショッピングカートが滑り出し高齢者が重傷 エスカレーターの溝に摩耗の疑い
スーパーマーケットなどで買い物を終え、地下の駐車場に向かう際に使用することがあるスロープ・エスカレーター。その便利さに、絶対の信頼を置いてはならないようだ。
階段型のエスカレーターとは異なり、ショッピングカートと共に利用することができるよう、なだらかな坂になっているスロープ・エスカレーター。そこで深刻な事故が起きたことを、オーストラリアのメディア『Warwick Online News』『7News』ほかが伝えている。
■有名スーパーマーケットで
オーストラリア・クイーンズランド州のノーマンパークという町にある、スーパーマーケット・チェーン『Coles(コールズ)』。その店舗のスロープ・エスカレーターで、恐ろしい事故が発生した。
ラッセル・スタビングスさんという85歳の男性が重傷を負い、病院に救急搬送。治療を受けたが脳にダメージを負っており、店の経営会社に対し、高額の損害賠償請求がなされる可能性もあるようだ。
■突然滑り出したカート
スタビングスさんは週に1度、この店で品物を大量に購入していた。事故当日もいつものように大型のショッピングカートを下りのスロープ・エスカレーターに乗せ、駐車場を目指したという。
スロープ・エスカレーターは、ホイールの溝とスロープ表面の溝同士がガチッとかみ合うことでブレーキがかかり、その場に固定される仕組みだ。だがその日、スタビングスさんのカートは突然滑り出した。
■骨折と外傷性脳損傷
買い物後でずっしりと重量を増したカートは、いったん滑り出すと、高齢のスタビングスさんには止めようもなかった。だが先方には女性客が乗っており、せめてスピードを落とすようレバーを掴み、カートに引っぱられながらずるずると下りていった。
そしてエスカレーターの終点に来ると、自身が転倒。搬送先の病院では、肩の骨折と外傷性脳損傷が確認されたという。
■ホイールの溝が摩耗か
メディアの取材にボビー・オーウェン弁護士が代理で応え、「スタビングスさんは『恐怖でもうエスカレーターを使用できない』と話しており、ほかのお客さんにも同じ事が起き、ヘタすれば亡くなるかもしれないと心配しています」と語った。
事故の原因については「ホイールに刻まれている数本の溝がすでに摩耗し、そのためにブレーキ機能が働かなかったことが疑われています」と話している。現在も専門家や警察が詳しい調査を行っている模様だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)