「野菜が安すぎる」と農家が悲鳴 その実態を関係各所に直撃
野菜の安値傾向に関係各所が大打撃。GOTOキャンペーン一時停止の影響もありダブルパンチ状態。
2020/12/05 15:00
新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの業界が悲鳴をあげている昨今。とくに外食産業が大きく落ち込む状況下で、野菜の価格が大きく下落し、農家が売れ残りを捨てざるを得ない状況に追い込まれている。
■野菜の安値傾向が続く
農水省によると、11月23日の週の調査対象・野菜8品目(キャベツ・ねぎ・レタス・たまねぎ等)の全国平均価格が、すべて例年を下回ってしまったという。特に、キャベツが1kgあたり131円(例年比59%)、レタス同337円(例年比54%)、はくさい同130円(例年比58%)と特に安い。
また都内ではこの3品いずれも、年間を通して安値傾向が続いている。
■農家直売所にも影響
神奈川県三浦市の「うらりマルシェ・やさい館」は、三浦市内の約120名の農家が、新鮮な朝どれ野菜を委託販売している直売所だ。二谷館長は「農家の皆さんが市場の価格動向を大変気にされている」と話す。
そんな中で「農協では値がつかないので、直売所になんとか置いてほしい」という依頼もあるそうだ。売れ残るケースもあり、その場合は農家が当日中に引き取りに来て、その後捨ててしまっているケースもあるという。
■街では各所に深刻な影響が
この施設には三崎まぐろの直売所も併設されているため、コロナ禍前は多くの観光バスがやってきていた。しかし、一部地域での「GOTOキャンペーン・一時停止」の影響から、キャンセルが相次いでいるという。
そんな影響から「12月は書き入れどきだが、来店客は例年の6割り程度に減ってしまった」と嘆く。また、5日午前11時の三浦市の気温は6℃で、真冬並みの寒さとなっており「現在の来店客は1~2名。かつてこんなことはなかった」とこぼす。
最後に「飲食業や観光業にスポットがあたりがちだが、街には農家や酒屋など、深刻な打撃を受けているところがたくさんある」と述べた。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)