今年の紅葉は色づきがイマイチ? 気象予報士がその背景を解説
紅葉の名所で見られる「枯れモミジ」と呼ばれる現象。その背景に気象予報士の千種ゆり子さんが迫る。
今年のモミジの紅葉に、異変が起こっています。SNS上では「今年は色がイマイチ」「今年の紅葉は遅いというより寿命が短い」という声が多く聞かれます。この理由を気象予報士の千種ゆり子が解説します。
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■紅葉名所に「枯れモミジ」が出現
真っ赤なモミジと言われて皆さんが想像するのは、このような青空に映えるみずみずしい赤色でしょう。
しかし今年の都内のモミジの中には、こんな状態のモミジが…。
このような状態のモミジは「枯れモミジ」と呼ばれます。なぜこんな事態に…?
■紅葉の色づきを決める3要素
最低気温が1ケタ(8℃ほど)になると紅葉が始まり、5~6℃ほどでグッと色づきが進むと言われています。紅葉の一大名所・京都では11月12日に5.9℃と、紅葉が一気に進む冷え込みになりました。 今年はここまでは順調でした。
しかしその後、11月13日以降、最高気温が平年を大きく上回るようになり、11月19日は26.9℃。京都で11月の歴代最高気温を記録しました。この期間の降水量が問題でした。
気温が高いと蒸散が盛んになり、葉から蒸発する水分は多くなります。気温が高いと洗濯物の乾きが早いのと同じです。つまり気温が高い時期は植物もより多くの水分を必要としていたのですが、全く雨が降らなかったため「葉が死んでしまった」と考えられるのです。
■紅葉狩りは早めがオススメ
少雨・高温だったのは京都だけではありません。11月の降水量(平年比)は、特に関東地方で平年を大きく下回り、11月の観測史上最少の降水量となった所が続出しました。
少なくとも今週いっぱい、まとまった雨はなさそうです。少雨だった地域では、残念ながら真っ赤な紅葉は期待できないと思われます。水分が足りていないので、たとえ色づいてもすぐに散ってしまう傾向があるようです。今年の紅葉は近場でササッと楽しむのがいいかもしれません。
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(取材・文/気象予報士・千種ゆり子)