トランプ劣勢に不正選挙を主張する日本のネトウヨ ユダヤ陰謀論者と重なる既視感
トランプ支持と不正選挙を訴える陰謀論。ネトウヨと反ユダヤ主義の奇妙な一致が…。
■陰謀論者が歓迎するトランプ勝利
前出の船瀬氏はフリーメーソンがその上層組織・イルミナティが世界の「闇の支配者」だという陰謀史観の持ち主だが、その最上位にいたディビット・ロックフェラーが101歳で死んだときに『魔王、死す!』という著書を出した。
そこで「世界皇帝」ロックフェラー氏の死によって、「闇の支配者」たちのシステムが崩壊していく様を報告。トランプ勝利をその予兆として歓迎している。
■反ユダヤの陰謀論者とネトウヨが奇妙な一致
さらに、極めつけが副島氏をして「陰謀論の大家」と賞賛する宇野正美氏。ユダヤ陰謀論の草分け的存在だ。
氏は自身による国際時事情報誌『エノク』11月号で、「バイデンが勝利すれば」「アメリカの衰退が始まる」と書き、トランプが勝てば「トランプをして世界的指導者になることを願う声が世界各国から溢れ出るものと思われる」と論じる。
そして、宇野氏が世界の支配者と指弾するイルミナティに対する「戦いが本格化していくものと思われる」と評する。まさに、トランプ礼賛だ。ネトウヨとユダヤ陰謀論者がトランプ礼賛で意見を同じくする。奇妙な一致だ。
トランプの敗退が確定すれば、ネトウヨはエスタブリッシュメントを批判し、陰謀論を展開していくことだろう。しかし、それはユダヤ陰謀論を唱える者たちによって既に開拓された道であるということを明記しておきたい。
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(取材・文/France10・及川健二)