7歳から3人殺害して取り調べでは笑顔に… 史上最年少で連続殺人鬼になった男
両親は貧困に苦しみながらも、犯罪とは無縁な暮らしをしていた。そんな子供が、なぜ凶行に及んだのか…。
連続殺人、あるいは猟奇殺人事件を起こすような犯罪者については近年、脳波、家庭環境、精神心理状態などを詳しく調べ、人格上の様々な障害に分類することがある。インドで「史上最年少の連続殺人鬼」が大変な注目を集めたことがあるが、その後どうなったのだろうか。
■世界最年少の連続殺人鬼
インド国内ばかりか世界の法曹界、脳科学、犯罪者プロファイリング、精神心理学ほか、多くの専門家が注目したアマルジート・サダ(Amarjeet Sada)という元少年。
8歳にして「世界最年少の連続殺人鬼」と呼ばれるようになった少年は、一般的な同年齢の子供とどう違うのか。生い立ちや家庭環境、精神心理状態など専門家らは特別大きな注目を払ったが、少年は警察の取り調べにも大胆不敵な態度をとってばかりだった。
■7歳でイトコと妹を殺害
1998年にビハール州ベグサライ地区で生まれ、ムシャハリという貧困層が暮らす村で育ったアマルジート。彼は2006年、当時6歳だったイトコの少女を殺害した。
その事件の直後、アマルジートは生後8ヶ月だった自身の妹までも殺害したが、まだ7歳という年齢だったことから身内は表沙汰にせず、本人に深い反省を求めるにとどめた。村の人々も事件に気づいていたが、親族の思いを尊重して黙っていたという。
■8歳で隣家の乳児を殺害
ところがアマルジートは2007年にも、隣家の生後6ヶ月の女の赤ちゃんを誘拐して惨殺。首を絞めて静かにさせ、野原に連れていくと石で激しく殴りつけ、土に埋めるというむごたらしさだった。
その狂暴性に親族も驚き、ついに警察に相談。アマルジートは8歳にして、3件もの殺人罪に問われることになった。当時の様子については、警察の厳しい尋問に薄ら笑いを浮かべたり、大笑いしたり、あるいは「ビスケットを食べたい」と要求していたことが明らかになっている。
■傷口の血を見て快楽か
犯行の動機すら見えてこなかった3件の殺人事件。『ザ・タイムズ・オブ・インディア』紙は、「傷口の血を見て快楽を覚えるサディスト」という表現を用いた。
また少年の精神鑑定にあたった児童精神医は、アマルジートを「行為障害(素行症)」と診断。これは、年齢相応の社会規範や世の中の常識から大きく外れた者が、反社会的で攻撃的な行動を繰り返すことを指すという。
少年法により、18歳までは児童養護施設で監視が続けられることになったアマルジート。今から3年前には出所に伴う何らかの動きがあったはずだが、現在に関する情報は一切明らかにされていないという。
・合わせて読みたい→20日間で3件の強姦殺害事件 不仲な家同士がいがみ合った犠牲か
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)