1年半トイレに監禁されていた妻を保護 夫は「精神が不安定だから」と釈明

妻を虐待かつ監禁した夫は、彼女が「精神的不安定だったから」と言った。しかし、保護にあたった職員の目に彼女は…。

2020/10/25 10:00

監禁された女性
(Tunatura/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

結婚17年、3人の子を産んだ妻を、夫はなぜそこまで粗末に扱ったのだろうか。悲惨な状況を見るに見かねた者が警察に通報し、女性はやっとのことで保護された。


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■極狭いトイレに監禁

今月13日、インド・ハリヤナ州パニパットの警察および女性児童保護局の職員が、ある民家の狭くて不潔なトイレに監禁されていた30代後半の女性を保護した。情報は匿名の者から寄せられたという。

「夫のナレシュ・クマールに閉じ込められた。食事もわずかしか与えられない」と話した女性。脱水症状および栄養失調でひどく衰弱していたが、現在は回復の途にある。

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■筋骨格系障害で歩けず…

女性が昨年の春から約1年半を過ごしていたトイレは、縦横ともに約90センチメートルしかない狭い空間で、自由に身動きがとれる状況ではなかった。

未成年の3人の子供たちが父親に歯向かうことは難しく、月日の経過とともに女性の筋力は低下。保護されたときには歩行も困難で、診断した整形外科の医師は筋骨格系障害が起きていることを指摘した。

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■「妻は精神が不安定」と夫

警察の取り調べに対し、クマールは「トイレに監禁したことは認めるが、妻は数年前から精神的に不安定だった。安全のためにも、どこかに監禁しておくしかなかった」などと主張した。

しかし、女性の保護にあたった職員は「彼女は家族の全員を正しく認識し、複数の質問にも明確な受け答えを見せた」と警察に報告。これにより、クマールは妻に対する虐待と監禁の容疑で逮捕された。


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■悪しき慣習に苦しむ女性たち

夫が妻に暴力を働いたり、小屋やトイレに監禁したりという事件がいまだ多発するインド。親類の男が犯行に加担するケースも多い。

妻が浮気したか浮気が疑われた、結婚する際に新婦の側が準備した「ダウリー」と呼ばれる持参金の額が少なかった、などが原因となることが多く、年間1万人近い死者が出ているともいわれている。この夫婦の間に何が起きていたのか、警察の事情聴取はまだ続いている模様だ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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