4年前の被害届では不起訴処分だった犯人 19歳になった女性を再び強姦し殺害
性犯罪の被害を受けた人は、心身の痛みと苦しみを胸の奥にしまい込む傾向がある。
性犯罪の被害に遭ったとき、その事実を周囲に打ち明けるにはかなりの勇気が必要になる。だからこそ、被害届を受理した警察は、徹底的に捜査を行うべき。そこが甘ければ、容疑者の再犯を許すことにもなりかねないのだ。
■若い女性の黒焦げ遺体
10月2日、アルジェリアにあるテニアという町の廃墟と化したガソリンスタンドで、若い女性の黒焦げ遺体が発見された。
被害者はアルジェ県レガイヤのチャイマ・サドウさん(19)。亡くなった当日は、携帯電話の料金を支払うと言って自宅を出ていた。遺体は暴力および性的暴行を受けており、多数のアザや刃物で刺された跡も確認されている。
■4年前にも狙われた少女
通報者はチャイマさんの友人を名乗る男で、警察には「僕が食べ物を買うため離れた間に、彼女は何者かに殺され、焼かれてしまった」などと説明したという。
一方で警察は4年前、チャイマさんに関する性的暴行未遂事件の捜査が行われていたことを確認した。15歳だった彼女が家族に被害を打ち明け、警察に被害届が出されており、証拠不十分で被疑者は不起訴処分になっていた。
■残虐きわまりない犯行
続いて警察は、未遂事件の被疑者と今回の通報者が同一人物であることを突き止めた。そこから厳しい尋問が始まり、ついに10月5日、ラヤンという名の男がすべての犯行を認めた。
チャイマさんをガソリンスタンドに連れ込んで強姦した後、気絶するまで殴る蹴るを繰り返し、さらにガソリンを口にまで注ぎ込んで火をつけたと供述しているという。
■被害者女性の母親の訴え
4年前の性犯罪事件についての捜査や法解釈の甘さが非常に悔やまれるとして、チャイマさんの母親はアブデルマジド・テブン大統領にオンラインでメッセージを送り、過去の事件の再捜査および裁判での極刑を求めている。
また首都アルジェでも、女性や子供たちを性犯罪者から守るための法改正や捜査の強化を求めるデモが、女性活動家らを中心に繰り広げられているという。
・合わせて読みたい→強姦され妊娠した17歳娘を父親が絞殺 「情けない大恥」と名誉殺人を主張
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)