わずかな傾斜でベビーカーが滑り出し道路へ… 乳児が車にはねられ死亡
警察は車を運転していた男性の起訴は検討していない。回避は困難と判断されるほど、一瞬の出来事だったという。
母親がブレーキをかけずに停めていたため、わずかな傾斜で勝手に動き出したベビーカー。赤ちゃんを乗せたままぐんぐんスピードを上げたが、その先には車道があった。
■緩やかな下り坂で…
ニュージーランド・オークランド市のノースコート地区で5日の午前9時頃、レイクロードという道路を走行中の車がベビーカーをはね、乗っていた生後5ヶ月の赤ちゃんが死亡した。
事故後、近所の保育園のスタッフが赤ちゃんに心肺蘇生法を施すなどしたが、搬送先の病院でその日の午後に死亡したという。
■下り坂でスピードを増す
ベビーカーは母親が気づかないうちに下り坂でどんどんスピードを増し、大変な速さで車道へ飛び込み、車にはねられ15メートルほど飛ばされたことがわかった。
事故を目撃したケヴィン・ウォーカーさんは、『ニュージーランド・ヘラルド』紙の取材に「赤ちゃんのママは必死にベビーカーを追い、恐怖の瞬間を目の当たりにしました。動揺がひどく、激しく泣いていました」などと話している。
■車の速度はゆっくりでも…
事故当時、車は時速20~30kmとゆっくり走行しており、回避しようと強くブレーキを踏んでいることから、警察は車を運転していたスディール・サクセナさんの起訴などは検討していない。
一方、赤ちゃんの遺体について司法解剖が行われており、事件性の有無を調べるとともに、ベビーカーのブレーキをかけた記憶について母親に聞き取りが行われている。
■フラッシュバックに苦悶
しらべぇ編集部が全国10代~60代の男女1653名に調査したところ、全体の47.5%が「過去に起きた事件・事故を忘れられない」と回答している。
車を運転していたサクセナさんも、同メディアの取材に「いきなり車の目の前にベビーカーが転がり込んできて、急ブレーキを踏みましたが間に合わず…まさに悪夢です。赤ちゃんもママもかわいそうでなりません」と話している。
また事故の瞬間の光景、音、衝撃などが頭から離れないため、夜も眠れず車の運転もできなくなり苦しんでいるという。悲劇でしかない交通事故。多くがちょっとした油断や不注意から起きていることを、忘れてはならない。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代男女1,653名(有効回答数)