日没後のおしゃべりは「はしたない」? 村長の命令で15歳少年と12歳少女が強制結婚
このような理由での児童婚は、あまりにも理不尽だ。
下校途中につい話し込んだのか、ある夕暮れ時、仲良さそうに談笑する1組の少年少女の姿が目撃されていた。しかし、彼らがそれゆえに結婚を強要されるとは…。驚きの児童婚の話題が東南アジアから伝えられた。
■15歳少年と12歳少女が結婚
インドネシア・ロンボク県で、モントン・プラジェという村に暮らす少年少女が驚きの理由から児童婚となり、物議を醸している。
「君たちは結婚しなければならない」と大人たちに強く迫られ、反論の機会も与えられないまま挙式したのは、15歳のスハイミくんと12歳のヌル・ヘラワティさん。ふたりはたった4回デートしただけだった。
■夕暮れ時のデートを目撃
4回デートしただけで、なぜ少年少女は結婚するよう強要されたのか。それはロンボク島の人口の大多数を占める先住民族「ササック」の人々が、古き時代から従ってきたある慣習のせいだった。
「未婚の男女は日没前に別れる。この決まりを破るのは、はしたないこと。結婚する義務がある」
スハイミくんとヌル・ヘラワティさんのふたりは9月上旬のある日、時が経つのを忘れて午後7時30分までお喋りに夢中になり、その決まり事を破ってしまったのだ。
■村長の鶴の一声で
インドネシアでは、児童婚の問題について長いこと議論が交わされてきた。
なぜなら、結婚が認められる年齢について法律で「女性が16歳以上、男性は19歳以上」と定めているにもかかわらず、モントン・プラジェ村がそうであるように、地方部ではいまだ法律より宗教指導者の教え、古くからの慣習、そして村の重鎮の主張が物を言うからだ。
このたびの件も、エフサン村長の「君たちは結婚しなければならない」という鶴の一声が決定打となっていた。
■不安を語る少女の両親
インドネシアの複数のメディアが今、親族や近所の人々など数十人が祝福に駆け付けた、ふたりの結婚式の様子を伝えている。
だが、「男女が夜遅くに会ったり、女性が男性宅を訪れるようになれば、それは確かに結婚を意味します。でも娘たちはそんなつもりではなかったのです」と語るなど、ヌル・ヘラワティさんの両親の表情は浮かない。
幼な過ぎて経済力もないふたりは今、スハイミくんの家に同居させてもらっているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)