目の腫れや高熱で死にかけた19歳女性 鼻の吹き出物を潰しただけで…
鼻の周辺や唇の周りにできる赤い丘疹。これを、決して不潔な指で触ったり潰してはならないそうだ。
鼻の頭にポツンと現れる赤い面疔(めんちょう)。この吹き出物は要注意だ。気になって触ってしまった後に深刻な病を発症した場合、抗菌剤での速やかな治療が行われなければ、命を落としてしまうことも。また、助かったとしても重い後遺症が残るかもしれないという。
■赤い吹き出物が気になり…
中国・浙江省寧波市在住のヤンさんという19歳の女性が、鼻の頭にできた赤い吹き出物「面疔」を潰して中身を排出させた。しかし、その何気ない行為のせいで、彼女は死の淵をさまようことになってしまった。
面疔を潰した少し後、右の眼に現れた異変に気付いたヤンさん。眼球が突出して瞼が腫れ、痛みもあるなか、激しい頭痛と悪寒で38.9度の高熱が出た。
■海綿静脈洞血栓症
中国科学院大学寧波華美医院に運ばれたヤンさんは、何かに感染したという自覚もないなか髄膜炎を思わせる症状を訴えており、脳神経科のハン・クン医師はただちに画像検査を行った。
医師はその結果、ヤンさんの右目の眼窩の奥に位置する、海綿静脈洞と呼ばれる脳の下の空洞部分に血栓を発見。ヤンさんには「海綿静脈洞血栓症」という病名が下された。
■「死の三角形」
なんとか回復したヤンさんに主治医は、鼻の頭と両脇から下唇の下まで、例えばあくびを抑えようとする時に片手で覆う鼻と口の範囲が、「死の三角形」であることを説明。
そのエリアには脳に続く血管があり、ヤンさんが吹き出物をいじったことで、黄色ブドウ球菌に感染した血液が脳に送られたことを理解してもらったという。
海綿静脈洞血栓症は併発した病に左右されるが、致死率は最低でも30%にもなり、重症例では目に重い後遺症が一生涯残る。副鼻腔炎や不健康な歯、そして不潔な爪で鼻の穴をほじることも発症の原因になるそうだ。
■清潔を心掛け市販薬でも
同じ赤い丘疹でも、面疔はニキビとは違って「軽く」触れただけでも痛みが強く、体力や免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れなどが発症の原因になるといわれている。
面疔ができてしまった場合は、清潔な手での洗顔を心掛けるほか、効果が認められている市販薬も複数あるため、薬剤師さんに相談するとよいそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)