食事の恩を仇で返す? 貧しい住民が裕福な一家の娘を強姦し殺害か
「貧すれば鈍する」、そして「恩を仇で返す」という言葉があるが…。
長年の貧困との闘いで、親切心を有難く受けとめる感受性を失ってしまったのだろうか。容疑者はまだ犯行を認めていないが、地元では恩を仇で返すような許しがたい事件が起きたと話題になっている。
■金持ち一家の親切心
事件はドミニカ共和国・東サントドミンゴ市のエンサンチェ・イサベリタで起きた。
ろくに食べ物を与えてもらっていないのか、ひどく痩せ、みすぼらしい身なりの幼い息子を連れたエステルリン・フランシスコ・サントス(40)という近隣住民に、「なんと気の毒な親子だろう」と同情したエマニュエル・サンチェスさんと妻のリセロット・ガルシアさん。
ある日、サンチェス夫妻は親切心でサントス親子に「自分たちにも同じくらいの年齢の娘がいる。一緒に温かい食事を」と誘いをかけた。しかし、それが悲劇の始まりだった。
■食事が縁で急接近
その少し後となる今月16日、娘のリズ・マリア・サンチェスちゃん(9)が行方不明に。最後に目撃されたのはサントス家に入る姿だった。
リズちゃんの母親リセロット・ガルシアさんは、警察に「食事に誘った後、リズはたびたびサントスの家に出入りするようになった。当日は、携帯電話をプレゼントしてくれると聞いて喜んで出かけた」と説明した。
■「あれは警察の自白強要」
警察の事情聴取の後、サントスは幼女誘拐、性的暴行、殺害および死体遺棄などの容疑で逮捕・起訴された。
しかし裁判所で20日に行われた罪状認否で、サントス被告は無罪答弁を行った。「リズちゃんをプレゼントで自宅におびきよせて性的に暴行し、事件の口封じのために殺して遺体を海に捨てたと話したのは、警察による自白の強要があったためだ」と話したという。
■「娘は生きている」と両親
だが、町の防犯ビデオの映像を解析していた検察側に、方向性を変える様子は見られない。
事件当日の正午近く、大きなカバンを乗せたバイクで自宅を出発し、1時間後にカバンを持たず帰宅したサントス被告らしき人物の姿を映像で確認したとし、被告の勾留期間は18ヶ月間延長となった。
そんな中で異論を唱えたのはサンチェス夫妻だった。遺体の回収が進まないこともあり、彼らは「娘はまだ生きている気がする。金目当ての人身売買という線はないのか」とし、娘の捜索と事件の再捜査を強く要請しているという。
・合わせて読みたい→「監禁と性的暴行に耐えきれず」は嘘か 父親を殺した3人娘の事件に驚きの展開
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)