ホオジロザメに襲われるも生還したサーファー 開いた口にボードを突っ込みパンチ
サーファーがサメと遭遇する確率を「雷に当たるほど低い」という人もいるが…。
サーファーや海水浴客が突然姿を現したサメに襲われる。そんな痛ましい事故のニュースが世界の海からたびたび報じられるが、勇ましくも撃退に成功したという話題はほとんどない。それだけに、サメとの闘いに勝ったこの男の話題は貴重だ。
■絶体絶命の状況で…
オーストラリア・パースの南に位置する、西オーストラリア州の沿岸の町ナチュラリスト。そのバンカーベイという湾で先月31日、男性サーファーが巨大なホオジロザメに襲われた。
絶体絶命と思われたその状況でも冷静にサメと闘い、撃退し、命を守り抜いたことが世界のサーファーの間で話題になっている。
■大きな口を開けたサメ
果敢なサーファーは28歳のフィル・マムマートさん。彼が対峙したのは、映画『ジョーズ』のモデルで、人をたびたび襲うことで知られるホオジロザメだった。
フィルさんの右脚に鋭い歯を立てたサメは、体長が5メートル近くあった。だがフィルさんはサメが大きな口を開けると同時に、サーフボードをその口に押し込んで顎の動きを奪い、続いてサメの頭部を何度も拳で殴った。
■63針縫う重症も「私は幸運」
サメの撃退に成功したフィルさんは3人の仲間に助けられ、1人のロングボードに乗せられて浜辺に戻った。病院では傷口を63針縫ってもらい、早い完治が期待されている。
「私の命を救ってくれた皆さんに、心から感謝しています。脚を1本も失わずに済んだことは本当に幸運です」とメディアの取材に答えるフィルさん。無残にも折れたサーフボードの写真を公開し、そちらも注目を集めている。
■釣り船に体当たりするサメも
先月17日にはタスマニア州スタンレーの沖合約5キロのあたりで、ホオジロザメとみられるサメが釣り船に体当たり。船から振り落とされた10歳の少年がサメに襲われ、腕、胸、頭部に怪我を負った。
だがオーストラリアで最も被害に遭う頻度が高いのはサーファーだ。今年はわかっているだけでも5名のサーファーがサメにより命を落としているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)