犬の多頭散歩でリードが絡まり窒息死 飼い主へ排泄物の処理中も注意喚起
にぎやかで楽しいため多頭飼いに憧れる愛犬家は多い。だが、安全でストレスのない多頭での散歩は「なかなか難しい」という声も…。
子供と犬が大好きだという愛情豊かな女性を、とんでもない悲劇が襲った。愛犬2頭を連れ公園を散歩していたなか、わずか数秒間の不注意により命を落としてしまったという。
■誰からも愛された良き母親
英国・ノース・ウェールズのレクサムという町に暮らしていたデボラ・メアリー・ロバーツさん(47)。知人・友人・家族のすべてが「これほど愛情深く、また誰からも愛されている女性も珍しい」と称えるロバーツさんは、4人の子供と愛犬たちに囲まれる生活をこよなく愛していた。
ところが7月8日、彼女は2頭の犬を散歩させていた自宅近くの公園で、草むらに意識なく倒れているところを通りがかった少女に発見された。
■低い姿勢をとることの危険性
ロバーツさんはその段階で心肺停止の状態にあり、駆けつけた救急救命士が心肺蘇生法を行うも、息を吹き返すことはなかった。その首には犬のリードが絡まっていたが、デンビーシャー警察の司法解剖を経て、致命的な咬傷や事件性は否定されている。
散歩中、何らかの理由でロバーツさんが低い姿勢をとっていた時にリードが彼女の上半身に絡まり、犬が引っ張って首を絞められたことが考えられるという。
■排泄物を処理する間か
多頭飼いの散歩中で窒息事故が起きた時に何より疑われるのは、飼い主がしゃがんで犬たちの排泄物の処理にあたっているときに、体高のある犬があちこちに動いて飼い主の体にリードが絡まってしまうことだ。
それが首であれば命の危険に直結するため、絡まり防止の工夫がなされた2~3頭引き専用のリードも市販されている。だが基本的に、排泄物の処理をおとなしく待てない犬が1頭でもいる場合、多頭での散歩はあきらめたほうが無難だという。
■安全な散歩はしつけから
今回の事故以外にも多頭飼いの場合、1頭が吠えて興奮や攻撃性が他の犬に伝われば、吠え声の合唱で大変な音量となる。犬たちが道幅いっぱいに広がって歩けば、通行人に恐怖を感じさせてしまう。できれば人通りの少ない、吠えても問題のない場所を選ぶといった気づかいも必要だろう。
もちろん1頭でも同じこと。犬の散歩は何より飼い主の良識と真剣なしつけから、といった声は常に多いようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)