ホオジロザメが釣り船に体当たり 海に転落した10歳少年が襲われ大怪我
海に出る人々が最も恐れているサメ。なかでも映画『ジョーズ(Jaws)』で知られるホオジロザメの攻撃力は、まさに致死的だ。
「運が悪すぎた」としか言いようがない人食いザメとの遭遇。彼らの攻撃を受けて腕や脚を失った人、命を落とした人は少なくない。このたびは、家族とともに海で釣りを楽しんでいた10歳の少年が、危うく命を奪われるところだった。
■突然水面に姿を現したサメ
オーストラリアで17日午後、タスマニア州スタンレーの沖合約5キロのあたりで、突然水面に姿を現したサメが高く飛び跳ね、全長6メートルの釣り船に体当たりした。
これにより、釣りを楽しんでいた10歳の少年が船から海に転落。サメの攻撃を受けて大怪我を負った。
■男性3人でサメを威嚇
釣り船が大きく揺れ、少年が振り落とされたことに気付いた父親はただちに海へ。それに続いて釣り仲間の男性2名も飛び込んだ。彼らの威嚇に気が散ったのか、サメは攻撃をストップ。その隙に父親は少年の体を引き寄せることに成功し、誰もが素早く船に引き上げられた。
少年を襲ったサメは、付近で以前より確認されているホオジロサメではないかとみられている。
■引き裂かれたライフジャケット
ライフジャケットはサメにより引き裂かれ、少年は腕、胸、頭部に怪我を負ってノースウエスト・リージョナル病院に救急搬送された。幸い容体は安定している。
一緒にいた釣り仲間でダイバーのベン・アレンさんは、メディアの取材に「サメは非常に大きく、少年を振り落とす目的で釣り船に体当たりしたようにも見えた」などと話しており、船の腹の部分には凹みも確認されている。
■警察も大きなサメの姿を確認
「あのあたりにホオジロザメが出没していることは知っています。息子の命を救おうとするお父さんは、本当に勇敢でした」と話しているアレンさん。付近では2015年にもホオジロザメの攻撃を受けたダイバーが死亡しており、娘の目の前での惨事だったそうだ。
タスマニア州警察はその後、スタンレーの沖合約10キロのところで大きなサメの姿を確認。海に出る際は十分に警戒するよう人々に呼び掛けている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)