24時間に77300人の新コロナ感染者 たがの緩みで米国が過去最悪の記録
新型コロナウイルス対策のたがが緩めば、やはりこうなるのか…。その典型例が今のアメリカだ。
日本も今、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新感染者数が急激に増えており、第二波ついに到来かと騒がしくなっている。海外ではそれにより再びのロックダウン(都市封鎖)を余儀なくされる都市が増えているが、今、特に注目されているのがアメリカ政府の判断だ。
■放置することへの不安
経済を回すためにも再びの外出自粛を要請することは難しいと考える日本政府と、「このまま放置していて大丈夫なのか」と不安を募らせる世間。
「Go Toキャンペーン」に至っては、国民の意識や各都道府県のトップ、対する政府との間に感じられる大きな温度差も人々の苛立ちの原因となっている。
そのあたりは海外も同様だ。ここにきて新型コロナウイルスの新しい感染者の数が再び急増しているアメリカでも、人々は政府の出方に大きな注目を払っているようだ。
■少なくとも377万人が感染
世界ワーストのコロナ感染者が確認されて久しい米国。7月18日午前11時半現在、累計で3,770,000人超の感染者が確認されており、死者の数も142,000人を超えている。人口が3億3,100万人ほどであるため、最低でも88人に1人の割合で感染が確認されたことになる。
ロックダウンの解除後、人々がおおいにハメを外している様子がたびたび報じられ、米国の第二波到来は確実ともいわれていたが、そんな中でじつは驚きの数値が発表されていた。
■7月10日から急増
ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者は7月16日、「米国全体で、過去24時間で77,300人を超える新型コロナ感染者が新しく確認された」と発表した。
連日のように1日あたり59,000人以上の新しい感染者が出て、右肩上がりであることに懸念が広がっていたが、それが7月10日には67,800人に急増し、それから1週間もなく77,300人という驚異的な数字に。これは過去最悪の記録で、医療機関や専門家らに大きな衝撃を与えているという。
■1日も早く優れたワクチンを
ホワイトハウスにアドバイスを行ってきた免疫学の権威であるアンソニー・ファウチ博士は、この問題について改めて「マスクの着用や密を避けるなどの基本的なことを、人々がしっかりと守る姿勢が必要だ」と強調する。
それが守られない以上、完全なロックダウンでも行わない限り、蔓延は防げないというのだ。また、米国政府は夏休み期間の終了とともに全国規模で学校を再開させる方針だが、保護者や教職員のほとんどが不安と疑問を感じているような状況だ。
とにかく待たれているのは、効果が確実で安全なワクチンの誕生。それが叶って初めて、誰とでも会い、一緒に食事し、どこへでも旅行できたあの日々が戻ってくるのではないだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)