「子供は残虐な光景を撮りたいはず」 大人の男たちが幼いアザラシを虐待
幼いアザラシに我が身を重ね、憤りを覚える少年はいなかったのだろうか…。
心の成長期にある少年少女の中には、昆虫など弱い生き物への残酷な行為から感じるスリルを、楽しむ傾向があるといわれている。だが、その“期待”に応えるためという理由で大人が幼い哺乳動物をイジメるなど、言語道断の卑劣な行為だ。
■何事かと群がる人々
カザフスタン南西部にある海水浴場で、観光客とみられる男性グループが1頭のアザラシを虐待していたという情報が、証拠映像とともに大手メディアに寄せられた。
現場には続々と人が集まり、夢中になってその様子を録画する者もいたという。
■気絶するまでアザラシを殴る
とんだ動物虐待行為が報じられたのは、カスピ海に面したマンギスタウ州のクリク村にある海水浴場。
近くにいた匿名の読者がメディアに寄せた映像では、大人の男たち数名が幼いアザラシを棒で叩くなど攻撃しており、周囲の子供たちはそれを興奮気味に見ていることがわかる。蛮行をやめるよう男たちに注意する者が現れないまま、アザラシは気絶してしまった。
■「少年は残酷な光景が好き」
この動物虐待事件は、罪もないアザラシになぜそんなひどいことをするのかと波紋を広げているが、当の男たちはその理由として、興奮気味に様子を見ていた少年たちの存在を挙げている。
少年たちは残酷な光景にワクワクするものだと決めつけている男たちは、「写真や動画を撮りたいという彼らの期待に応えたかった」などと主張。気絶したアザラシを浜辺に引き上げて少年らに撮影させると、再び海に戻していた。
■イジメられれば攻撃的に
事件を重く見たカザフスタンの環境・地質・天然資源省(Ministry of Ecology, Geology and Natural Resources)は、「アザラシは好奇心旺盛で幼いうちは特に人懐こいが、変化が起きて人間に攻撃的になれば、脅威の存在にもなり得る」と警告。
また、「これはカスピ海に生息する海洋生物たちに大きなダメージを与えた事件。どうかアザラシ、そして自然界にもっと優しい気持ちとリスペクトを」と呼び掛けている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)