2歳女児が新型コロナ隔離病棟で性的暴行被害 母親が通報するも当局は無関心
事件について「警察も児童保護当局も真剣に動いてくれない」と嘆く母親。このような性犯罪を野放しにしてはならないはずだが…。
母親から引き離されて隔離病棟に入院。そこで我が身に起きた恐ろしい出来事を、わずか2歳の女の子は家族にうまく説明できなかった。母親は強い怒りとともに警察や児童福祉などに相談したが、いずれも関心を示してくれないという。
■隔離病棟に入院した女児
南アフリカ共和国・ヨハネスブルク市の北に位置するハウテン州のガ=ランクワ。この村の総合病院の隔離病棟で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査を兼ねて入院した2歳の女の子に対する性的暴行事件が発生した。
病院は、病室に出入り可能だったすべての人物に関して、調査が行われていると主張しているが…。
■泣き疲れて眠った女児
女の子は6月15日に体調不良に陥り、新型コロナウイルスの疑いがあるとして、村で最大の総合病院であるジョージ・ムハリ病院へ。ウイルス検査を受けるとともに隔離病棟に入院した。
自身は何ら症状が現れないため帰宅させられた母親は、その夜に病院の看護師から1本の電話を受け取った。「長いこと泣き続け、疲れてやっと眠ったけれど不審な点がある。体に痛みがあるなら検査が必要かもしれない」という内容だった。
■おばの直感が当たる
翌日の午前中、検査結果で新型コロナウイルスにかかっていないことが判明して女の子は退院。しかし、動揺する様子や歩くのが辛そうな状態に気付いた女の子の叔母は、性的ないたずらによる股間の痛みを疑った。
母親は女の子を連れて、村の別の診療所で受診。詳しい検査の結果、強姦の被害が判明した。オムツを交換する際に、犯行があった可能性が考えられるという。
母親はただちに警察や児童保護に通報したが、その後メディアの取材に応じ、当局の無関心さや被害者側の非力さに対する悔しさをにじませた。夕方に相談した警察では、「時間が遅い」といった理由で、門前払いの扱いを受けたという。
■信頼していた病院も…
病院は女の子の家族に時おり調査の進捗状況を報告し、補償に関する話し合いも期待できそうな印象だった。
ところが、保健当局に対して「事件については何も知らされていない」などと嘘の説明をしていたことが発覚。母親は落胆しており、犯人の判明まで長期の辛抱を覚悟する必要があるという。
そんな中で数日前、ハウテン州保健当局は病院から調査結果の中間報告を受けた。警察が捜査に協力的ではない中、病院の調査も独自に行われたものだといい、報告される内容の信ぴょう性については疑う向きもあるようだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)